パーペチュアル・パス Perpetual Path

ボイスロイド・東方キャラクターたちが人生・宇宙・霊魂について語ります。Several characters of the Voiceroid and the Touhou Project discuss human life, the universe, and spirit.

欲求

欲求

 

 

牛丼屋さんの前で悩む弦巻マキ*

 

 

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弦巻マキ
「う〜ん……行くべきか、行かざるべきか、どっちにしよう……??」

 

 

 

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結月ゆかり
「あら、こんな所でどうしたんですかマキさん。お手洗いはあちらですよ」

 

 

 

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弦巻マキ
「あっゆかりん! それがね、聞いてよ! いま私すごい悩んでるんだ……今まで入ってみたくてしょうがなかったんだけど、ついに新商品の『ぶた肉ブリュッレ丼』っていうのを見て、もうガマンできなくなっちゃったのーっ! でも、牛丼屋さんなんて入りづらいじゃん??」

 

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結月ゆかり
「おや、意外ですね、マキさんもそういったことを気にするのですか。いちおう、女性ですものね。けれど、我慢は体に毒ですよ……いえ、そんなものでは言い尽くせません。自分の欲求を無視することは、じつは、後でとんでもない事につながりかねないんです」

 

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弦巻マキ
「『いちおう』は余計だよゆかりん!」

 

 

 

 

*ゆかりは語り始めた*

 

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結月ゆかり
「人には必ず、欲求というものが備わっています。食事の欲求、睡眠の欲求、繁殖の欲求、そしてそれだけではありません。

自分の能力を発揮したいという欲求

他人から認められたいという欲求

集団の中に帰属したいという欲求--

そのほか、数え上げたらきりがありません。

欲望に体を壊すほど溺れるというのも問題ですが、逆に、自分の欲求無視し抑圧し続けるというのも、実はそれとして問題があるんですよ。

この宇宙の細大漏らさずすべての事象に創造主の配慮が行き届いている以上、欲求というものもそれなりの……いえ、非常に重要な存在意義があるんです。

それはひとえに、人の魂を今までしたことのない経験の中に曝させ、その成長を促すことです。

欲求というものがあればこそ、それを叶えようとして、人はすごい勢いで先に進むことができます。

たとえば、食料を得たいと思うからこそ、人は必死になって働けるはずです。

異性の歓心を買いたいと思うからこそ、意中の相手にどんな奉仕もできるようになるはずです。

自分の力を発揮したいと願うからこそ、どこまでも自分を高められるはずです。

欲求があるからこそ、その人生で与えられた経験に、人は全力でぶつかることができるんです。

もし欲求がなかったら……いかがでしょう。誰も、苦労や苦痛を味わってまで、人生に取り組もうとはしないでしょう。

欲求があるからこそ百年単位で済んでいるこの現世での一生が、欲求がなかったら、同じ体験をするのに何万年かかるかわかりません。

欲求を抑圧するという事は、そのせっかくの成長促進剤を放棄するという事になるんですよ。

欲求に正面から向き合い、叶えようとすべきです。そしてその体験を理解し、受け入れ、そこから意味のあるものを抽出すべきです

この人間界に生まれる目的は、愛する方法を学ぶことです。一見関係ない体験からでも、後からじっくり振り返ってみれば、ある方向に導かれていたことが分かるはずです。

一見あさましい欲求に見えても、しかしその体験から、愛を導き出すことができるはずです。

もし欲求を見ないふりして無視したとしましょう。それを果たすには、また別の人生でわざわざやり直さなくてはいけないかもしれません。そんな事は面倒でしょう?

でしたら、特殊な事情がある場合を除いて、その欲求を叶えようとするべきです」

 

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弦巻マキ
「ん? 特殊な事情ってなに?」

 

 

 

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結月ゆかり
「例えば、その欲求を満たすことで、宇宙の法則に反する形で他人を害してしまうような場合です。

……世の中には、人によっては、異常なまでに歪んだ欲求というものも存在します。

そうした欲求を持つ方は、現実でそれを満たすのではなく、想像の中だけで我慢するしかないことになるでしょう。その方には、それが一種の試練なのだと思います。

とはいえ、マキさんには関係ない話ですね。

別に、女性が牛丼屋さんに入ったところで、だれを害するでもないんですからね」

 

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弦巻マキ
「そ、そうなんだ……。うん、分かったよゆかりん! ちょっと恥ずかしいけど、私牛丼屋さん入ってみるよ!」

 

 

 

*一時間後*

 

 

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弦巻マキ
「ふぁぁぁぁっ、美味しかった〜〜〜! やっぱり、もう一杯食べよ〜っと!」

 

 

 

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結月ゆかり
「いえ、このくらいにしておきましょうマキさん。出ますよ」

 

 

 

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弦巻マキ
「えー!? なんで! 欲求は叶える物って言ってたじゃん!」

 

 

 

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結月ゆかり
「だからと言って、限度を知らないのは問題ですよ。

このままでは、マキさんがになってしまいます」

 

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弦巻マキ
「うっ……!」

 

 

 

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結月ゆかり
欲求に耽りすぎるのも、それはそれで問題なんです。

欲求にはもう一つの機能があります。

それは、欲求が限度を超えないよう注意することを通じて、人の理性の発達を促すということです。

度を越して欲求に溺れたら、身が破滅してしまいますよ」

 

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弦巻マキ
「う〜〜っ、分かったよ……。でもゆかりん、その『限度』って、どうやったら分かるのかなぁ? つい食べすぎちゃったりとか、よくあるよね」

 

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結月ゆかり
欲求の限度は、体や心が教えてくれるはずですよ。食べ過ぎれば胃が痛くなってきますし、遊びすぎればだんだん飽きてきます。肉体や、心が出しているサインに敏感になってください。もうやりたくないと感じたら、そこでいったん休んだらいいと思います」

 

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弦巻マキ
「なるほどね……じゃ、食べ過ぎない程度に毎日通お〜っと。ふふふっ、これから楽しみだなぁ♡」

 

両極にある価値観

両極にある価値観

 

 

 

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弦巻マキ
「はぁ〜〜……今まで私が信じてきたことは何だったんだろう……! もう、何を信じたらいいのか、わかんないよっ

 

 

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結月ゆかり
「ど、どうしたんですかマキさん? ソフトクリームを地面に落としでもしたのですか」

 

 

 

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弦巻マキ
「ちがうよっ! そんなくだらないことなわけないじゃん!

……聞いてよ.ゆかりん。こないだニュースで知っちゃったの。

あのね、たけ◯この里より、き◯この山のほうが、実は入ってるチョコレートの量は多いんだって! 売り上げは低いくせに!

嗚呼っ! 私、たけ◯この勝利を信じて、これまで買い支えてきたのに……いつの日か、たけのこの光がきのこの闇を一掃してくれるって信じてたのに! たけのこは、いつだってきのこよりすぐれてなきゃいけなかったのに!

 いったい、これからどうすればいいの!? 私、何を信じて生きればいいの!?」

 

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結月ゆかり
(充分くだらないことだと思うのですが
……)

 

 

 


*ゆかりは語りはじめた*

 

 

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結月ゆかり
「……まぁ、そういう他愛ない話のほうが、喋りやすくはありますよね。

ガチな話だとなかなか人は冷静になれないものですが、きのことたけのこなんて話であれば、客観的に捉えやすいですし」

 

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弦巻マキ
「だからくだらなくないってば! いじわる言ってないで、慰めてよゆかりちゃん!」

 

 

 

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結月ゆかり
「はいはい、よしよし……。

さて、他人から見れば大したことないことでも、本人はのめり込んでしまうことがあるものですね。マキさんみたいに。

もっとも、価値感というのは、もともとそういうものですよね。

ある信念、主義、価値観、立場……そういったものを自分の中に取り込み、相容れない考えの人を非難したり攻撃する……それは、世の常ではないでしょうか。

たとえば、動物の肉を食べるのは良くないと言って、肉を食べる方々を批判する。もちろん、その逆もあります。

女性は女性らしく、男性は男性らしくすべきとして、そうでない考えを非難する方々がいます。とうぜん、その逆もあります。

特定の宗教、特定の民族、特定の社会階層の立場に立って、対立する立場を攻撃する……どこにでも転がっている話です。そしてそれこそが、人間の心にとってとても重要な糧となるんです。

人は必ず、なにか特定の価値観を持っているものです。それも、人間がこの宇宙を体験するための手段として、とても大事なことなのです」

 

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弦巻マキ
「え? どーいうこと?」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「この宇宙には面白い特徴があります。それは、何事にも二極性のある世界だということです。

簡単に言えば、ある概念には、必ず真逆の概念が用意される、ということなんです。

たとえば、理性の反対は感情、快感の反対は不快感、利己的の反対は利他的、やさしい人の反対はこわい人、個人主義の反対は集団主義、という具合です。
私たちは往々にして、まず二つの極のうち一方の価値観を持ちます。その価値観をしっかり握りしめて、根っからのなになに主義者になるわけです。

ちょうど、今のマキさんが生粋のきのこウーマンであるみたいに……」

 

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弦巻マキ
「なにそれやらしい! っていうか、きのこ女は魔理沙ちゃんだけでじゅうぶんだよ」

 

 

 

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結月ゆかり
「……しかし、その価値観にもいずれ飽きるときがきます。飽きた時とは、その価値観がもたらしてくれる体験を、あらかた終えたって言うことです。そしたら、その価値観を手放し、もう一方の価値観を体験することになるんです。

そして、やがてその人は、二つの対立した価値観の間で、バランスを取ることになります。

理性的すぎるのも良くないけど、感情的すぎるのも良くない。利己的すぎるのもよくないけど、利他的すぎるのもよくない。やさしさもいいけど、時にはこわさを身につけるべき……という感じです。両極のどちらの価値観にも、それぞれ長所や短所、特徴があって、どちらがいいとか悪いとかではないとわかるわけです。

対立する2つの価値観を統合した時、人は、一歩創造主に近づいたことになります。なぜか分かりますか? この宇宙の創造主は、すべてを統合した存在だからです。

この宇宙を創造した存在を指して、「やさしい」とか「大きい」とか「上」とか、そういった言葉で呼ぶのは間違いなんです。創造主は、そのうちに宇宙の全要素を宿している、無限の存在なんですから。

マキさんがきのこ主義者からたけのこ主義者へと揺れ動いている今この瞬間……それはまさに、マキさんが今まで知らなかった価値観を学んで、創造主に一歩近づく瞬間、ということになりますね。

ずいぶん葛藤が激しいようですが、それも生みの苦しみというものでしょうか。あまり、思いつめないようにしてくださいね」

 

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弦巻マキ
「ありがと……。

あぁでも、私たけのこ主義者にならなきゃいけないの? いままで大好きだったきのこを捨てるなんて……そんなの無理だよー!」

 

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結月ゆかり
「ちょっと、何を勘違いされてるんですかマキさん。

私は、別にきのこを捨てろなんて一言も言っていませんよ。もしろ捨てては困ります。

一つの価値観を捨てるのではなく、二つの価値観を統合し、バランスをとるのをお勧めしてるだけです。

二つをともに経験したからこそ、良い意味で『どちらでもいい』という境地に至るんです。ある一方の考えをとればそれ特有の体験があり、もう一方の考え方を選べば、やはりそれ相応の体験が得られる――ただ、それだけなんですよ。

二極の価値観のうち、一方が正しくて他方が間違っているということはありません。

なぜなら、その両方が創造主を起源とするものだからです。
いずれマキさんだって、きのこもたけのこもどちらでもいい、どちらもいいと思えるようになるでしよう。……要は、大人になるってことですね」

 

 

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弦巻マキ
「なんとなく言いたいことは分かったけど……なかなか、そうは割り切れないよ~。

今まで、きのこだけを信じてきたのにー」

 

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結月ゆかり
「よほどの激しい体験でもしない限り、なかなか人の心は急には変わりませんからね。

そういう時は、一日に十分でもいいので、誰にも邪魔されない所で、何もせずゆっくりする時間を取ってみて下さい。

目をつぶって、心を空っぽにして、ただ自分の心を見つめるんです。

きのこが好きなのか、たけのこが嫌いなだけか――マキさんの中で、そんな感情がぐちゃぐちゃになっているんでしょう。そんな自分を祝福し、じっくりと光を注いであげて下さい。

マキさんが今抱えている葛藤は、必要なものなのです。それなりの意味があって、生じているんです。

そのうちに、マキさんの心は落ち着くでしょう。何週間か、何ヶ月かすれば、『なんであんなことで悩んでたんだろう?』と、思えるようになりますよ」

科学とは?

科学とは?

 

 

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弦巻マキ
「ねー聞いて聞いてゆかりーん。最近シュ○インズ○ートってゲームやってたんだけどさー、

そしたらなんか私、科学に興味出てきたよー!」

 

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結月ゆかり
「え!? マキさんが、科学……?!」

 

 

 

 

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弦巻マキ
「そんなに驚かないでよ……」

 

 

 

 

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弦巻マキ
「でも、そういやさー。私思ったんだけど、ゆかりんが最近話してるこのブログの記事って、

科学じゃオカルト扱いされるような話が多いよねー?」

 

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結月ゆかり
「ええ、そうですね。……では、今日は、いい機会ですから科学について考えてみましょうか」

 

 

 

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結月ゆかり
「マキさんは、科学とはどんなものかご存知ですか」

 

 

 

 

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弦巻マキ
「え!? えーとねぇ〜っ………………なんか頭良さそうなやつ!

……あっ、ゆかりん何その顔は! いま、『こいつ頭悪そうwwwwwww』とか思ったでしょ!」

 

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結月ゆかり
「べつにそこまでは思ってませんよ……。

ざっくり言うと、科学とは、自然界でどのように現象が起きるのか調べる営み、という感じでしょうか。私が最近、よくお話しているような事は、『オカルト』と呼ばれて科学から除外されていますが

……しかし魂、転生、霊界、創造主といった類の事……これらだって、自然現象ではないのでしょうか? むしろ霊魂と霊界こそが、宇宙の本質のはずです。

物質で満ちた宇宙というのは、一種の幻覚に過ぎないものです。なら、むしろ霊こそが自然現象の本丸のはずです。なぜそれが、科学の世界から爪弾きにされてしまってるのでしょう?

 身の回りにだって、霊による自然現象はそれなりに多いはずですよね。卑近な例で言えば、心霊スポットに行ったらいくらでも……それが科学の検討の対象になっても、何もおかしくない気もします」

 

 

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弦巻マキ
「え? うーん……なんでなんだろうね。

やっぱりさ、そっち方面はいかがわしい詐欺師っぽい人が多いからさー。あまり世間の人には信用されてないんじゃない?」

 

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結月ゆかり
「そうですね。ではなぜ、詐欺師っぽい人が多いのでしょうか? ……それは、霊というものがほとんどの人の目には見えないからです。

一部には見える人がいますけど、他は誰も見えないので、他の人から正しいか正しくないかの検証がとてもしづらいのです。ですから、霊媒を騙る人も多いんでしょう。

オカルトは、科学が満足するような証拠を出すことが難しいのです。誰もが理解しうる、という科学の普遍性に真っ向から反するものですから……

しかし、だからといって、霊の存在を否定し、科学で実証されたことのみを真実と見るのは、非常に危険な態度でもあるんですよ」

 

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弦巻マキ
「ん、どーして?

 証拠を見つけるのは、悪いことじゃないでしょ?」

 

 

 

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結月ゆかり
「もちろんです。が、人間には、その『証拠を見つける』能力がほとんどありません。なぜなら、人間の知覚力はとても、とっても限定されたものだからです。

どんなにがんばっても、地面を這っている蟻と同じで、遠くの方はぜんぜん見えません。それに、人間の判断力というのも、可哀相なくらい限定されたものにすぎないのです。

『人間は万物の霊長』だなんて言う向きもありますけど、とんでもないことです。人間はまだまだ、何もかも不完全な赤ん坊です。

その人間が、自分の見える範囲、自分の理解できる範囲しか信じない、それ以外はすべて嘘っぱちなどと考えたらどうなってしまうと思いますか? この宇宙は、とても窮屈で、不完全で、不公平な世界で、人間は銀河系の辺境にいる見捨てられた孤独な存在、ということになってしまうでしょうね。

事実、そう考えている方がたくさんいます。でも、それは事実ではないのです。本当は、人間の心が窮屈で、不完全で、不公平なだけなのです……

ところで、話題をすこし変えますが。科学というのは、物事がどのように動くのか――Howを知るための学問であって、なぜ――Whyを探求する学問ではない、とよく言われていますよね。

ご存知ですか」

 

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弦巻マキ
「へ?」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「……まぁ、わからなければ、後でウィキペディアでも見ておいてくださいね。

つまり、科学は、この世のさまざまな現象が起きる理由というものを、一切説明することができないんですよ」

 

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弦巻マキ「えーーーーそうなの!?」

 

 

 

 

 

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結月ゆかり
「そうです。ただできるのは、どういう過程で、どういう順序で現象が起こるのか、それを解き明かすことだけです。ですから、科学の定義を、そういう定義にしているだけのことです。

この宇宙は霊が本質ですのに、物質しか見ることのできない人間が判断すれば、理由が全くわからないというのも無理はありません。

でも霊の意味を知っている方であれば、この宇宙の全ての現象の理由を、簡単に説明することができるんですよ。この宇宙は、創造主が創造主自身を知るための体験フィールドです。

宇宙の全ての現象は、創造主を創造主に再び成長させるための触媒、体験の素材として生じています。

……私は、立派な動機で科学を推し進める方を尊敬します。ですが、今の時代の人々は、科学のみに重きを置き過ぎなのです。

ほんらい、まだまだ未熟な人間の知覚力と理性では、分かりえないこともあると知るべきでしょう。そして、目に見えない世界、理解できない世界のことは、実証できないのですから信じるしかありません。

古代から人々がやってきたように、信仰心というものを持つしかないのです。もちろん、特定の宗教に入れと言っているのではありません。

人間としての身の程を知り、謙虚になるべき場面があるということです」

 

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弦巻マキ
「うーん、なるほどね……ちょっと科学で頭がいっぱいになってたよ……。

シュ○ゲが面白すぎてさー。あーぁ、みんなが霊とか魂が目に見えたら、なんにもめんどくさいことないのにね?」

 

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結月ゆかり
「そうですね。でも仕方ないことです。面倒くさいことがなければ、成長もないんですから。それにマキさん、霊や魂を見ることができず、物質しか信じることができない――

と、いう人間のあり方は、少なくとも人間が人間としての経験を行う初期〜中期段階くらいまでは、そうなるように仕組まれたことなんですよ。なぜか、分かりますか?

答えは簡単です。先程申し上げたとおりです。この宇宙は、創造主が創造主に戻る過程を体験し、自分自身の無限の可能性を一つでも多く知るための世界です。

では、この宇宙の本質である霊魂の存在を、みんながはじめから見ることができ、当たり前のように知っていたとしたらどうなるでしょうか?

はじめから知っているのだとすれば、そこから『成長』する余地もまたない、ということになりませんか? 道を踏み外す可能性が常にあり、現に何度も踏み外し、しかしその末に、自分の意思で宇宙の本質を学び、確信に至る……

そういう過程がなければ、つまり脇道がなければ、『成長』とは言えません。だからこそ、人間は霊を無視して物質に向かいがちな傾向を、はじめからその身にやどしているのです。

……それとですね。よく、テレビの心霊番組とかで、科学のみを重視する方がおっしゃってますよね。『霊が実在するという、論理的な証拠を出せ!』って。

しかし、証拠なんてものは、絶対に出てきません。もし論理的な証拠があるとしたら、それはどういうことでしょう? もし証拠があったら、すべての人が、霊の実在を信じなくてはならなくなります。

まだ信じたくない人も、その意思に反して、強制的に信じなくてはいけなくなるのです。創造主は、そういった形で知識を得ることを成長とは考えません

人間には自由意思があるんです。それを使って、自分の意思で正しい道を選びとらなければならないのです。もちろん、その途中でいっぱい間違いを犯しながら……です。

『証拠』という形で強制的に信じさせるようなことをすれば、宇宙の法則に反することになります。ですから、証拠なんてありえません。

何を信じようとその方の自由というわけです。ただし、その自由な選択によって生じた結果は、その人自身が受け止めることになります。

……もちろん、こんなふうになっているのも、創造主の意思なんですよ。考えてみてください。人間は、よく物を掴める手を持っています。ですからこの世に人間が生じた当初は、霊とか魂とか、目に見えない『よく分からないモノ』を探索するなんて、そんなにしません。

理解もできないでしょうし。それよりかは、物質界でいろんな道具を生み出して、それに夢中になるという発展パターンをとりがちなんです。そっちのほうが、最初は楽しそうに見えますからね。

私たちの科学もその延長線上にあるものでしょう。それ自体は批難すべきことではないです。ないですが、物質というものは、どうあがいてもいずれ崩壊してしまいます……

物質界に何も頼りになるものがないと悟った時、人は目に見えない世界の豊かさを、はじめて探索するようになるのでしょうね。

……すいません、ずいぶんとお話がそれてしまいました。別に、私は科学が嫌いではありません。私だってその恩恵を受けているんですから。

使い方を間違えなければという注釈付きですが、科学が立派な営みになれることは間違いありません。ですが科学のみを万能とみなして、霊の豊かさを自分から無視する方がいたとしたら、その責任はその方自身が負わなければならなくなります。

ですから、狂信的になることはやめたほうがいいでしょう。そして、科学の成果を、より善いことのために使うよう心がければ、私は、それでいいと思います」

 

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弦巻マキ
「なぁんだ。結局は、そういうあたりまえの結論なわけね?

 わかりやす〜い、あはははっ」

オクターブと8つの密度(2/2)

オクターブと8つの密度(2/2)

 

 

(前回からの続き)

 

perpetual-path.hatenablog.com

 

 

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霧雨魔理沙
「あ、『』……?」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「そう、四次密度は愛と共感の密度。……まだ私たちは経験してないから想像しがたいかもしれないけど。

四次密度は、自分への、それか他人への愛情と共感が満ち溢れた状態。だから人の心の中に、あるいは人と人との間に、不調和というものがもう存在しない

それから、三次密度以下のような物質の支配する状態から抜け出ていて、三次密度の私たちからは、基本目に見えない。でも物質ではないからと言って、薄い影のような存在になるのではないわ。

むしろ三次密度より、もっと生命力に満ちた世界になる。だって、宇宙の本質は霊なのだから……物質のほうが、よほど希薄な存在なのよ。

そして、物質よりも思念の影響が強い世界だから、お互いに何を考えているか、お互いの魂がどのくらいの位置に達しているか、それが簡単に分かってしまうそうよ。

どれだけ外面を取り繕っても、何の意味もないってことね」

 

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霧雨魔理沙
「ええ~~~~!? 相手の考えてることが分かる

 それ、なんかきついぜ……!」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「あんたにはきついでしょうね(笑)。まぁ今の私にだってきついわ。

でも、四次密度の人々は、私たちからすれば聖人と思えるレベルで愛情を豊富に持っている。

他人に害意を抱くことなんてないから、お互いの心が見えても問題ないんじゃないかしら。そこまで他人に愛情を持つなんて、難しいと思えるわよね?

でも四次密度にまでいたれば、そうじゃない。むしろそれが当たり前なのよ。なぜって? だって、私たちも、誰でも、この宇宙の存在はぜんぶ創造主の一部なんだから。

自分と他人、その区別はいろいろな体験をするために、便宜的に設けているだけ。本当は自分も他人も同じもの。すべては同じもの。

だとしたら、どう? 魔理沙、あんただって転んでひざを怪我したら、そこをかばうでしょう? それと同じ事。この宇宙がぜんぶ一つの存在だという事が分かり、魂の底まで理解することができた時、

ありとあらゆる『他人』は、もう自分の体の一部にしか思えなくなるわ。必然的に、ありとあらゆる他人に対して、愛情を持てるようになる――ということね。

中々、人間がそこまで思い切るのは難しいでしょう。難しくなかったら、とっくに私たちは四次密度の存在になっているものね。

けれど、いずれ私たちも、必ずその領域に達する時がくる。明日という人もいるかもしれないし、何万年後という人もいるかもしれない。

でも、それは時間の問題なのよ。いやしくも創造主の一部たる私たちが、進歩を止めてしまうことはないの。

『とても自分はそんな風になれない』なんて、不安に思う必要はないわ。どんと構えていたらいいんだわ」

 

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霧雨魔理沙
「おう!」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「さて、既に私たちの理解を超えてる四次密度だけど、まだまだこれで終わりじゃないわ。

四次密度はだいたい3千万年続いて、そのあいだ、叡智と光を目指して絶えず努力が行われるの。それを十分身に着けた時、五次密度へと進むのだそうよ」

 

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霧雨魔理沙
「今度は五次だって!?」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「五次密度は、光と叡智の密度。そこに到達した存在は、極限にまで賢くなっているわ。ありとあらゆる意味で、他人との闘争や戦闘行動を全て避けるだけの知恵を備えている。

それから物質の影響がますます希薄になって、むしろ思念で物質を操ることができるようになるわ。

だから五次密度の存在は、自分の体の形を、自分の意思で自由自在にコントロールできるのだとか。

五次密度存在の本来の姿は、もはや形を失っていて、白い光そのものになっているらしいんだけど。でも、望めば私たちのような人間そっくりの体になることもできるんですって」

 

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霧雨魔理沙
「ええ~~~!? なんか面白そうだな! そうだな……

私だったら、いちど魔法少女に変身してみたいぜ!」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「あんたはすでにに魔女じゃない……」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「で、五次密度存在は、四次密度で学んだ愛と共感を、叡智に調和させることを学んでいくわ。それが十分な領域に達した時、六次密度の存在となる。

……六次密度は、愛と光、共感と叡智を統合させた密度。四次密度で学んだ愛と、五次密度で学んだ光を統合させる。

なんで統合なんかするのかって? そりゃ当たり前よ。だって創造主は、ありとあらゆる要素を包含し、統合した存在でしょ?

世の中には、とても賢いけど冷酷な人がいるわよね?

それから、とても優しいけどバカな人もいる。

そういう風に、愛と叡智、どちらかが少なすぎたらだめなの。両方のバランスを、いつかはとる必要があるのよ。

そして、その宇宙の重大な要素である愛と光を統合した六次密度の存在は、より創造主に近づいていくわ。

たとえば、中期の六次密度存在は、時間をさかのぼって、過去のすべての自分自身に対して援助と指導を行っているそうだわ。

……これは、いわゆる『ハイヤーセルフ』っていうものの正体だそうよ。ハイヤーセルフというのは、私たちの意識よりもっと深い所にある自分自身、というような意味。

そのハイヤーセルフは、遠い遠い未来の自分自身が、自分を助けにきてくれているもの――というわけね。そしていつか六次密度に達した時、自分自身がそのハイヤーセルフと合体して、同一の存在となるそうよ。すごい話よね。

それから、ラーの話によると、とある六次密度存在は、太陽と自分自身を融合させて、繁殖を行っているそうよ。

地球が受け取っている太陽の膨大な光……それは、六次密度存在からの地球の存在への、膨大な愛情表現というわけね。太陽と融合することで、その六次密度存在はこの太陽系の創造主のような地位まで上り詰めている――と言えるかもしれないわ」

 

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霧雨魔理沙
「す、すげぇ……スケールがでかすぎて、もうおいつけねぇぜ」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢「次はもっとスケールがでかいわよ。六次密度存在が十分に愛と光のバランスを取った時、七次密度存在へと進化する。

七次密度は永遠の密度・ゲートウェイの密度。この密度で体験活動は完成し、七次密度存在は物質宇宙が生じる以前の――いえ、『前』という言い方が正しいかは分からないけど、ともかく、時間という概念を超越するわ。

過去も未来もなく、あるのは永遠の完全な現在だけ……別の言い方をすれば、過去も未来も同時に存在している状態へと戻るという事。

そして七次密度存在は、宇宙の全てとの一体性を取り戻すことになるそうよ」

 

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霧雨魔理沙
「なるほど、わからんぜ……。でも完成っていう事は、七まできてやっと終わりなのか?」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「終わりではないわ。さらに上の密度、八次密度が存在するみたい……けどそれは、ちょっとほかの七つとは違うわね。

八次密度中に全宇宙は再び創造主の下に一つに戻る。そして再び宇宙が生まれ、次の体験――次のオクターブの一次密度が始まる。

次のオクターブは、今のオクターブの体験情報を総合して、また新しい体験が出来るよう、創られるそうよ」

 

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霧雨魔理沙
「ん? オクターブ? それって、音楽の……」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「そう、そのオクターブ。ラーは、宇宙の体験を音階に例えていたわ。

一次~七次密度までがドレミファソラシの音符だとするならば、一つの宇宙はひとつの音程……オクターブに例えられるわね。

音符がシまで終わったら、オクターブが一つ上がって、またドから始まるでしょう? それと同じ事。

八次密度というのは、次のオクターブの一次密度を作り出すのだそうよ。……面白いわよね。

宇宙は、心臓が打つみたいに永遠に誕生と終結を繰り返して、そのたびに新しい体験の素材を産み出す。

創造主は、また新しい体験記録を知る。今の私たちの感覚で言えば果てしない話だけど……でも、ラーはこうも言っている。

一つの宇宙から次の宇宙まで、すべては無限の神秘の中で営まれている。だから、そこに時間的前後があるわけではないの。

過去も未来も本当は存在せず、完璧な現在が、永遠に存在し続けているだけだって」

 

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霧雨魔理沙
「すげぇ……そんな事、今まで考えたことなかったな。壮大すぎてヤバイぜ!」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「そうね。でも、その宇宙を営んでいる創造主は、私たち自身でもある。私たち、全員の中に、創造主のすべての性質が完全な形で眠っている。

いつか、絶対に、私たちも再び創造主へと帰還する日が来るのよ。さ、それが分かったら、こんなくだらない話をしてないで、目の前の一日を一生懸命生きることね」

 

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霧雨魔理沙
「いやいや、お前が話しはじめたんじゃねーか!! ならなんで話しはじめたんだよ!」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「もちろん、宇宙の『計画表』を知っておいて欲しかったからだわ。何も先のことが分からないで生きるよりは、いいでしょう?

 ただ、一つだけ注意。この手の『スピリチュアル情報』は巷に色々あるけれど、別にそれを知ったからと言って、単にそれだけでは、あんたの魂は少しも向上するわけじゃないの。

そんなものにかじりついて高尚な気分に浸っているだけというなら、そんなものはむしろ忘れた方がマシだわ。

知識は力よ。そして力を授かった者は、それを善い事のために活用する責任を負う。……だから、自分が創造主の一部にふさわしい人間であることを、頭の中で考えるだけじゃなく、実際の行動で示していきなさい。

イヤイヤじゃなく、自分の意思で。……私が言いたかったのは、それだけ」

 

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霧雨魔理沙
「あ~~~~っ! もう、どこが『それだけ』なんだ、じゅうぶん長話だぜ!

そろそろお腹が痛いんだ、厠させろー!」

オクターブと8つの密度(1/2)

オクターブと8つの密度(1/2)

 

 

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博麗霊夢
「突然だけれど、所謂『スピリチュアル』界隈でよく使われている

密度

という言葉あたりを解説していくことにするわ」

 

 

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霧雨魔理沙
「な、なんだ突然!? ちょっと、私いま厠(かわや)に入ってるんだけど! 扉のすぐ外でしゃべられると落ち着かないぜ!」

 

 

 

 

 

霊夢は語り始めた*

 

 

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博麗霊夢
「『密度 スピリチュアル』とかでググればすぐでてくるとは思うけど――」

 

 

 

 

 

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霧雨魔理沙
「幻想郷ってネット通ってたのか?」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「……ネットでは色々書かれているけど、ひとまず今回は、宇宙人チャネリング情報として最高峰との呼び声が高い『ラー文書』――The Law Of Oneを主な情報ソースとして解説するわ。

ちなみにチャネリングとは、宇宙人が霊媒体質の人間の口を借りて話しかけてきた、その情報を記録する行為、またはその記録された会話のことよ」

 

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霧雨魔理沙
「は? なんだかもう、私の理解をぜんぜん超えちゃってるぜ……」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「別にここは理解しなくていいわ。……で、以前、この宇宙は、創造主による体験フィールドだということを言ったわよね?

 無限の創造主が、自分の無限の可能性を知るために、自分を無限の構成要素に分割し、もっとも下等な単原子の状態から、無限の知性と愛を発芽させるまで、様々な経験を重ねて成長していく。

そして、ひいては自分の可能性のひとつを新たに知る――この宇宙全体の見取り図は、そうなってるってこと?」

 

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霧雨魔理沙
「それは、なんとなくわかってるぜ。なんとなくな」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「充分よ。

……すべての存在は、だんだんと成長していく。成長につれて、今まで知覚できなかったものが見えるようになり、抱けなかった感情を抱けるようになり、そして『創造主に近づきたい』という意思もだんだんと強くなっていくわ。

『密度』……Densityっていうのは、その意識や体を構成する分子振動の密度、あるいは……成長度? を七つか八つに分類したもの。一つ一つの密度には、それぞれの段階に属する存在が集まっている。

各密度ごとに、それぞれ性質もだいぶ違うことになっているようね ちなみに、ひとつの密度から次の密度に進むことを『収穫(ハーヴェスト)』というわ。

いちおう『次元上昇アセンション)』という便利な言葉もあるけど、あまりに妙な連中に使われまくって悪いイメージがある言葉だから、使わないでおくわね」

 

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霧雨魔理沙
「へ~、よくわからんけど、七人のサム〇イみたいで面白そうだな。

で、どんなのがあるんだ?」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「各密度は惑星ごとに異なるわ。もちろん地球も、惑星が生まれる前、時間と空間というものが無い状態から、いちばん最初の経験の密度――一次密度、First Densityというものが生じてきたの。

とりあえず、地球が生まれてきた時のことを、想像してみましょう。最初は、陸地も海もない、膨大な熱と風がひたすら無秩序に吹きまくる、混沌としたカオスの惑星だったわ。

そこから、火や風に吹かれて、水や土と言ったものがだんだん形成されてくる。……そう、一次密度に属するメンバーは、単原子に水や土、鉱物といった無生物なのよ。

常識的にいえば、水や土なんて単なる『物』でしょうけど、そうではないの。すでにその中に、無限の創造主に戻るための素質を、完全な形で、潜在的ではあるけども含んでいる。

そして、その一次密度の存在である水や土にも、体験活動を開始するための意識が生じているの。

……もっとも、その在り方はとっても原始的だわ。土や水は、自分で動くことができないでしょう? ただただ火にまかれて、風に吹かれて、ランダムな破壊と集合を繰り返すしかないわ。

けれどそのうちに、だんだんと形が整ってくる。水は川や湖、海となる事を学び、土は大陸となることを学ぶの。地球も、何億年もかかって、マグマが冷え、地面が固まり、海と陸地が分かれてきたわね?

こうして、魂の次の発展段階である、『生物』が誕生するための下準備ができあがってきたのよ。宇宙のどの惑星、あるいは衛星も、この第一次密度から始めるそうだけど……

地球の場合は、一次密度を終えるのに20億年ほどかかったようね」 

 

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霧雨魔理沙
「へぇ、水とか土も生きてたのか……そりゃ驚きだぜ」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「さて、次の二次密度――Second Densityは『成長』の密度よ。単細胞生物から植物、動物までが含まれるわ。ランダムに動かされるしかない一次密度の存在と違って、二次密度の存在は自由に動き回り、自ら成長することができる。

動物は、獲物を求めて走り回るわね? 植物は、太陽の方へと葉や茎を伸ばすでしょう。

細菌でさえ、鞭毛をバタバタ動かしたりして、自分の力で動くことができる。サンゴとか、まったく動かないように見える動物もいるけれど、体内では体の組織が盛んにある方向を目指して動いているわ。

その方向性……『成長』という概念を持つことで、動物たちは、無生物と比べたら創造主に一歩近づいたってわけね。

それから、オスとメスが協力して繁殖する有性生殖というのが始まるわよね」

 

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霧雨魔理沙
「そういえば、野良猫がよく道端でまぐわってるよな」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「そう、それ。まぁ、植物でも、おしべとめしべで分かれてるものもあるわね……そして、種によっては、社会性を獲得する動物もいるわ。猿みたいにね。

こうして、二次密度の存在は、次の三次密度に進歩するための努力も重ねていくというわけね。

地球では、二次密度におよそ46億年費やしたんだとか」

 

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霧雨魔理沙
「そんなにかかるのか……。じゃあ、その次の三次ってやつは何なんだぜ」

 

 

 

 

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博麗霊夢
三次密度は、私たち、人間のように自我を持った存在。自我、というとよく分からないかもしれないけど、

要は、自分自身と他人を区別することができる……状況を、客観的に見ることができるっていう意味ね」

 

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霧雨魔理沙
「ん? じゃあ、動物とかは、そうじゃないのか?」

 

 

 

 

 

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博麗霊夢
「ええ。動物は、自分とほかの個体を区別してないわね。群れ全体で、まとめて自分自身――みたいな感じで、捉えているみたい。

でも人間は違う。知的能力が高くて、抽象的な思考ができるから、自分と他人を区別して考えることができる。

……地球は今、太陽系の中で、三次密度の体験が可能な環境がもっとも整備されている惑星だそうだわ。

人間の目で見渡してみても、地球がいちばん、太陽系の中で住みやすそうでしょう?」

 

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霧雨魔理沙
「そりゃそうだぜ」

 

 

 

 

 

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「そして、地球の三次密度サイクルは……まだ終わっていないんだけど、およそ七万五千年だそうよ」

 

 

 

 

 

 

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霧雨魔理沙
「七万……?

あれ、最初の二つは何十億っていってたのに、三次だけやたら短くないかー!?」

 

 

 

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博麗霊夢
「そうよ。もちろん、人の一生からすれば七万年だってだいぶ長いけれど……それでも、一次密度、二次密度に比べたら、ほんの一瞬くらいの短さだわ。

のちの四次密度~七次密度だってのきなみ何千万年っていう世界なのに、三次密度だけが異常に短くなっているの。

これには、とても重要な意味があるのよ。それはね……私たちの生きるこの三次密度の世界は、魂の成長が異常なまでに加速される世界だっていう事。

そのことについて、ラーはこういうたとえを使っているわ。

『三次密度は、鉄を火の中に投げ入れて激しく打ち付けるような物。四次密度以降は、その粗削りの彫刻を、少しずつ精緻に磨いていくような物』

だってね」

 

 

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霧雨魔理沙
「へぇ……じゃあ私たちは、いままさに、火の中でガンガンぶたれてる金属ってことなのか」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「ええ。言いえて妙だと思わない? 確かに、この三次密度の世界……私たちの人間界は、苦しみや悲しみだらけで、火の中に投げられたみたいだものね。

私だって、時々つらくなる事があるわ……でも、その苦痛があるからこそ、魂の成長が何百倍、何千倍と加速されていることを忘れてはいけないのよ。

そう考えれば、苦しみや悲しみは、本当に貴重な、ありがたい恩恵ということになるでしょう?」

 

 

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霧雨魔理沙
「う~ん。苦しいのと、早く先に進めるの……どっちがいいか、究極の選択って感じだぜ」

 

 

 

 

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博麗霊夢
「……あぁそうそう、三次密度の大きな特徴をひとつ忘れていたわ。それは、社会性ね。

社会を作って、人は他人とたくさんかかわっていくわよね。人間の体は、動物と比べてかなり脆弱でしょう?

体も細いし、体毛も薄いし、一人で自然界で生きていくには心もとないわ。

それから、やっぱり人間も女と男の二つが無ければ、繁殖できない……その他人とかかわる過程の中で、いずれ、他人を愛するという事を学ぶのよ。

そしてそれが、次の密度、四次密度へとつながるカギになるの」

(続く)

 

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死後の世界

死後の世界

 

 

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結月ゆかり
「突然ですが、死後の世界を垣間見てみましょう」

 

 

 

 

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弦巻マキ
「なに突然!? ゆかりん、い、いったい私に何するつもりなの!」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「安心してください、マキさんを殺そうというわけじゃありません」

 

 

 

 

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弦巻マキ
「ほっ……」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「というか逆です。私たちがあっちに行くのではないんです。霊の方から、私たちに語り掛けてもらうのです。

……正確には、語り掛けてきた記録、ですね。マキさんは、この世に霊が下りてきて、話しかけてきてくれる『交霊』という現象をご存じですか?」

 

 

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弦巻マキ
「んー? テレビとかで見たことはあるなぁ。こう、女の人が寝てるんだけど、口だけ動いてしゃべってたやつ。

不気味だったなぁ」

 

 

 

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結月ゆかり
「そうですか。日本ではそうした番組で、芸人紛いの方が面白おかしく、おどろおどろしく、あるいは注目をひくためだけに演出していることが多々です。

なので、『交霊』など単なる子供だましの大嘘と考えている方も多いでしょう。

よしんば本物の霊だったとして、それを確かめるすべもありません。人によって……というか、霊によって言うこともバラバラだったりします。

特に、人間界は低級霊の住む世界にほど近いですから、近づいてくる幽霊もそういうどうしようもない霊であることも多いんですよね。そういう場合は、交霊と称してとんでもない大嘘を吹き込まれてしまうことにもなります。だから、交霊は信用されないんです。

……でも、一概に切り捨ててしまうのはもったいないでしょう。世の中には、真の高級霊が交霊を通じて話してくれた、掛け値ない真理もたくさん届けられているんですよ。

死者と一口に言っても――人間の本質は霊ですから、ほんとは『死』ぬことはないわけですが――いろいろですからね。真実を教えてくれるものの声を聞けば、現世では分からないことが分かります。たとえば……死は誰にでも訪れる当たり前のことで、まったく恐ろしくはないという事。それどころか、まっとうな人生を送った方であれば、死とは素晴らしい霊界へ誕生することだという事――です。

どうですか。けっこう大変なことじゃないですか? ほとんどの人間が、毎日、死におびえて暮らしてますのに。でも、もう怖がらなくて済むんです。色々な真理を届けてくれるのが、交霊というものです。

ですから、この分野に真面目に取り組んでいる霊媒の方が、あるいは霊媒でなくてもそれに協力する方が、欧米を中心に世界中に数多くいらっしゃいます。それは、地上の人たちに少しでも多く真実を知ってもらいたいとの、霊界の方々の真摯な想いからだそうです。とてもありがたいですよね。

こうした運動は『スピリチュアリズム』と呼ばれたりしますね。実は、マキさん、19世紀ごろから、霊界側から一斉に、計画的に、かつてないほど大規模で、人類への交信が始まったんですよ」

 

 

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弦巻マキ

「い、一斉に? へー、なんかすごそう……!

 

 

 

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結月ゆかり

「それもひとえに、霊界の方々から人間に対する愛情あってのことです。今は、かつてないほど真理を知る機会に恵まれた、いわば大交霊時代というわけです」

 

 

 

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弦巻マキ

「えーそうなのー!?」

 

 

 

 

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結月ゆかり

「ただし注意があります。霊と言っても、霊にはいろいろいます。天使のような高級霊から、迷惑極まりない未熟霊まで……。交霊の際には、未熟霊が紛れ込んで大嘘をしゃべっていないとも限りません。

だから交信の内容をぜんぶ鵜呑みにするのは止めて下さい。理性と直観にしたがって、交信の内容をしっかり吟味してみるといいでしょう。

……ただ、誰が聞いても非常に質が高い、最高峰の霊界通信というのもいくつか存在します」

 

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弦巻マキ
「へぇ〜〜! どんなのがあるの? 有名?」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「もっとも有名なのは『シルバーバーチの霊訓』という物です。内容の高尚さゆえ『ダイヤモンドの輝き』と評されているくらいです。

とはいえ元々人気があるわけでもないジャンルですから、本国のイギリスでは本は絶版になっていることが多いようですね。その点、むしろシルバーバーチは日本のほうが人気が高いみたいです。

このブログはアフィリエイトを載せませんのでリンクは張れませんが、amazonで検索したら2016年に新装版が出たばかりでした」

 

 

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弦巻マキ
「メタい話をしないで……。でも、へ〜面白いね。なんで日本のほうが人気なんだろ? イギリスで出たものなんでしょ?」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「推測ですが、シルバーバーチ霊の語る内容が、日本人に合っていたのではないでしょうか。

語っている内容は、人々がお互いに優しくし合うべきという事や、輪廻転生の話題など、日本人にとって親しみやすい内容のような気がしますので……。ともかく、せっかくですからシルバーバーチのことをお話してみましょうか。

ちなみに原文は、スピリチュアリズムブックス様というサイトに無料で掲載されていますので、そちらを見た方がいいでしょう。http://www5e.biglobe.ne.jp/~spbook/index.htmです。」

 

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弦巻マキ
「あのさ、ゆかりん、URLをぜんぶ口で言うのって疲れない……?」

 

 

 

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結月ゆかり
「さて……シルバーバーチは霊の世界についてくわしく述べてくれています。

霊界には無数の領域がグラデーションのように重なっていて、死人の魂の発達程度にしたがって、いろいろな領域へ行くことになるようです。低い領域には、まだ未熟な魂が赴きます。高い領域には、発達した魂が行くことになります。

霊界からのメッセージに色々とバリエーションがあるのは、その霊によって行く領域が千差万別だからだそうです。

嘘を教えて喜んでいるおばかな霊もいれば、最高級の真理を惜しげもなく教えに来てくれる天使様のような霊もいる、というわけですね」

 

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弦巻マキ
「ふ~ん。天国だとか地獄だとか、確かにそういうのよく聞くよね」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「そうですね。

でも、霊界が真っ二つに分かれているというわけではありません。魂の浄化のために苦痛が与えられる領域から、至福に満ちた領域まで、いろいろとあるというのが正解みたいです。

それから、多くの領域である共通点があります。これは、たぶんとても大事なことですよ」

 

 

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弦巻マキ
「どんなこと?」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「霊界に物質はないということです。

物質は、現世で人が生きるための一時的な道具に過ぎません。ですから、当然、食べ物も、住居も、衣服も、欲しければ自分の思念の力だけで創り出すことができます。というか、そもそもそういったものはなくても、霊界では生きていけます。

霊は不滅で、生命の根源です。私達は、物質は実体で、思念は目に見えない影みたいなものと思いがちですけど……現世に限ってはそれも間違いではありませんけど、でも本当は違うんですよ。宇宙と生命の本質は霊です。

物質が影で、霊こそに実体があり、確からしいんです」

 

 

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弦巻マキ
「へ〜?」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「あ、今聞き流しましたね? でも他人事ではないんですよ。マキさんだって、いつかは絶対に霊界に行くことになるんですから」

 

 

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弦巻マキ
「そりゃそうだけど……まだまだ先の話じゃん」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「まだまだ先? ほんの100年もないじゃないですか。私達は、無限の時間を生き続ける創造主の一部、いえ創造主そのものなんですよ?

100年や200年なんて、ほんの瞬きにすら満たない時間だと思いますけど」

 

 

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弦巻マキ
「そ、そう言われるとすぐな気がしてきた……!」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「ほんとに、他人事ではないんです。なにせ、人は絶対に死にますから。

霊界に行ってから、霊の事を何も知らないので困る人が大勢いるそうです。マキさんは、今から心の準備をしておいて下さいね」

 

*

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弦巻マキ
「分かったよ〜。なんか、想像したらドキドキしてきたなぁ。

なんか変な事いうけど、寿命が終わるのがちょっと楽しみだよ~」

 

 

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結月ゆかり
「ふふ、楽しみに思うのはけっこうです。でもマキさん、だからと言ってこの現世の生活をどうでもいいなんて、そんなこと思ってはいけませんよ? まして、自分から死期を早めるような真似も、ぜったいよしたほうがいいです。

この現世は、苦しみも多いですがその分進歩もものすごい勢いで加速されているんです。いわば魂の特訓場です。私たちは、自分から意を決してこの世界に生まれたんです。今は、目の前の人生にしっかりと向き合い、行動することが、何よりも大事です。

そして亡くなる時は、マキさん、ぜひ一緒に行きましょう。約束ですよ」

 

 

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弦巻マキ
「わ~い、ゆかりんと一緒だー! 死んでも一緒だよ!」

因果応報・因果律

因果応報・因果律

 

 

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弦巻マキ
「ふふふ〜〜んっと♪」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「どうしたんですかマキさん。やたら機嫌がいいですね」

 

 

 

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弦巻マキ
「それがね、聞いてよ〜! 今日、ドラッグストアで湿布買ったんだけど――」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「なんだか、若者らしくない買い物ですね」

 

 

 

 

 

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弦巻マキ「あー、私、かなり肩凝るタイプだからさ。それはともかく、買うときに店員さんが間違ってお釣り500円多くくれたんだよ〜!

気づいてないみたいだから、そのままもらっちゃった。らっきー!」

 

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結月ゆかり
「なるほど……ですが、それは返したほうがいいのではないですか?」

 

 

 

 

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弦巻マキ
「だいじょぶだいじょぶ、別にバレないし〜、私何もしてないし〜」

 

 

 

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結月ゆかり
「はぁ……」

 

 

 

 

 

*ゆかりは語りはじめた*

 

 

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結月ゆかり
「マキさん。マキさんは、『天網恢恢(てんもうかいかい)、疎(そ)にして漏らさず』という言葉をご存知ですか?」

 

 

 

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弦巻マキ
「んーーー……なんとなく聞いたことはあるけど、
意味はわかんないね」

 

 

 

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結月ゆかり
老子のことばです。ひらたくいうと、誰にもバレてないつもりでも、お天道さまはぜんぶ見てるということですよ。

……しかし、実は見ているだけではないんです。自分がしたことは、すべて自分に跳ね返ってくるんです。

因果応報、今風に言えば因果律というやつですね」

 

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弦巻マキ
「やっぱり聞いたことはあるけど、あんまり意味はわかんないなぁ……」

 

 

 

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結月ゆかり
「中身はかんたんですよ。善い事も悪い事も、自分がしたことの結果は、すべて自分に跳ね返ってくるようになっているんです。

たとえば……物を盗んだ人は、逆に盗まれる側も体験するんです。殺した人は、あとあと、殺される側も体験することになります。もちろんそういう悪い事だけじゃありませんよ。良いことだって同じです。

他人にしてあげたことは、自分に返ってくるんです」

 

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弦巻マキ
「ふ〜ん? ……あれ、でもさー。それだったら、生まれてすぐ死んじゃった子どもとかはどうなるの?

 別に、そういう赤ちゃんって、何も悪い事してないじゃん?」

 

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結月ゆかり
「いい質問ですね。そういう方はきっと前世で、何か報いを受けるべきことをしたんじゃないでしょうか。

今生では、とくに何もしてないとしても、前世で重ねた負債がチャラになるわけではありませんからね。私たちの目には今の人生しか映りませんし、前世も来世も分かりません。

ですから、一見、悪い事ばかりしてる人が良い目にあったり、その逆もたくさんあるように見えます。この世の中は、とんでもない不公正な世界に見えます。

でも、実際はそうではないのです。大きなスケールで因果律が働いていて、何十年、何百年とかけて原因と結果は繰り返されています。そのほんの一部を、人間が近視眼的に見てしまうと、不公正な世界のように見えてしまいますが……

そういうわけではないんですよ。本当は、不公正どころの話じゃありません。人間のとる一挙手一投足、発した言葉の一言、頭の中で考えたことの一片に至るまで、創造主の記録情報として納められているんです。

誰かにバレないようにこっそり何かをしようとしても、無駄です。すべて、見られているんですから」

 

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弦巻マキ
「な、なるほど……。本当に、お天道様が見てるわけね。

でも、なんか見られてると思うと、落ち着かないなぁ……」

 

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結月ゆかり
「別に、窮屈に感じる必要はありませんよ。何も無理を要求されてるわけではありません。しょせん私たちは人間ですし、どうしても妙な考えを持ったりします。

怒ることもありますし、誰かを呪いたくなることもあるかもしれません。そういう雑念が沸いてきたら、静かなところで目をつぶって、自分の心をじっくりと見つめて下さい。

自分の感情、心……どうしてそんな思いが湧いてくるのか、深いところで問い続けて下さい。そうしているうちに、良くない感情は薄まっていくはずです。

間違っても、そんな感情を行動に移さないでくださいね」

 

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弦巻マキ
「た、確かに、感情任せでやるとまずいってのは分かるよ。でもまぁ
、それだったら、そんな感情が湧かないように、人間を創ればよかったのにね……」

 

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結月ゆかり
「いえいえ。それはムリな相談ですよ。怒りとか、強欲とか、恨みとか、そういうよろしくない感情も、必要なものなんです。

必要どころか、必要不可欠です。かんがえてもみてください。人が、何かに強く感情を抱くということは、その何かに強く「こだわっている」という事ですから。

そうした感情が湧いてくることで、自分が何にこだわっているのか、ということが間接的に分かるようになっているんです。たとえば……ちょっとでもお金を損したら、すぐに怒ったり悔しがったりする人がいるとします」

 

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弦巻マキ
「あー、よくいるよねそういう人」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「ほんの数百円得して喜んでるマキさんも、人の事は言えないと思いますが……ともかくその人は、『どうして自分はこんなに怒ってるのか?』そう考えることで、自分の心の中を知ることができます。

自分は、お金にやたらとこだわっている人間だったんだ、ということが分かるのです」

 

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弦巻マキ
「そんなの、普通に分かるんじゃないの?」

 

 

 

 

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結月ゆかり
「意外と、自分の事はみんなよく見えていないものですよ。まして、心の中がどうなっているか、自分がどんな価値観を持っているかとなれば……

何十年、いえ、一生気づかないで過ごす人も多いと思います。だからこそ、自分の感情が目印になるのです。

やたらと強い感情が何度も沸いてくるようでしたら、それは、『いったい自分のどんな価値観が、そんな感情を起こさせてるのか』、心の中を調査するいい機会だと思ってください。

ただし、自分の心の中をじっくり振り返るには、静かな時間が必要です。誰にも邪魔されないところで、目をつぶって、リラックスして……瞑想するように、自分の中を見つめて下さい。

そこで自分の価値観に気づけば、それを和らげることもできます。……でも、それをしないと感情がそのままになり、いずれ実行に移してしまうというわけです。

でも妙な事をしてしまったら、後が大変ですよね。その行動はいずれ、自分自身にそっくりそのまま跳ね返ってくるのですから。だから、自分の中の感情を放置しないでください。自分で自分を不幸に陥れる前に、自分の心のバランスを取って下さい。

自分の心を、お手入れしてください。もともとそれこそが、悪感情がこの世に存在する理由なんですから」

 

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弦巻マキ
「うーん、なんか難しそうだなぁ……」 

 

 

 

 

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結月ゆかり
「別に難しいことありませんよ。ゆっくりと自分の心を見つめるだけです。何をしろというわけでもありません。

むしろ、悪感情を放置して、とんでもないことをしでかして、その因果を後で背負わされるよりはるかに楽じゃないですか?」

 

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弦巻マキ
「なるほど……それもそっか」

 

 

 

 

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弦巻マキ
ゆかりんの言いたいこと、まあ大体わかったけど……でも、なんで因果律なんてのがあるのかなぁ?

ちょっとでも変なことしたら全部返ってきちゃうって、やっぱり窮屈だよね」

 

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結月ゆかり
因果律というのは、別に悪い事にだけ適用されるわけではないんですよ。良い事だって同じです。

例えば、何かの能力に優れてる人というのがいますが、それも、別に偶然、運よくそうなったわけではありません。そういった方は、その能力を得るにふさわしい努力を積み重ねてきたからそうなっているのです。

生まれつき何かに優れている方も、その分、前世で努力を重ねてきたからそうなったのです。不当に恵まれているとか、そういう人というのはいないんです。

創造主はすべての人に対して平等ですから。いかがですか? もしそうでなかったら、どうなってしまうと思います?

 たくさん研鑽を積んできた方と、ほとんどそうした事をせず怠けてきた方が、同一に扱われるとしたら?

いつも笑顔で親切な方と、他人など顧みない利己的な方が、同じ目に遭うとしたら?

そんな不公平な事になるのであれば、この世に生まれて、苦労して自分の能力を開発する意味なんてないことになります。

それに加えて……自分のやったことの結果が返ってこないなら、いったい自分がしたのはどういうことなのか、客観的に見る手段が失われるという事でもあるんですよ」

 

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弦巻マキ
「あ、そっか……」

 

 

 

 

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結月ゆかり
因果律があるから、人はこの世に生まれていろいろな体験を積むことができるのです。それがなかったら、だんだんと研鑽を重ね、やがて創造主と一体に戻るという、創造主による創造主のための体験ゲーム場であるこの宇宙が、機能しなくなってしまいます。

……まぁ、こういった壮大なことは、特に日常生活で意識しなくても結構です。ただ自分のやった事は、よくもわるくもすべて自分に跳ね返ってくるという事。

これさえ意識しておけば、ずいぶんと生きやすい人生になると思うのです」

 

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弦巻マキ
「そりゃそうだね。ありがとゆかりん~~。私、おつり返してこようっと」