病気・健康問題に苦しむ方へ
病気・健康問題に苦しむ方へ
結月ゆかり
「今これを読んで下さっている方は、病気に苦しんでおられるかもしれません。まずは、その苦痛にご同情申し上げます。あなたのその痛みが少しでも短くて済むよう、お祈りをさせて下さい」
結月ゆかり
「嗚呼、この宇宙すべてを見守る無限にして一つなる創造主よ。
この方に力をお与え下さい。
この方に勇気をお与え下さい。
少しでも早く、この方が調和と幸福に導かれますように……」
結月ゆかり
「もちろん、今のところ健康だという方も、読んでいただいて構いません。
病気というものが生じるメカニズム、そして仮に病気になった時の心構えを知ることができれば、それにたいして何の不安も抱く必要はないことが分かるはずです。
勇気をもって、先に進めるようになるはずだからです」
結月ゆかり
「なぜこの世の中に、病気などというものがあるのでしょうか。
病気になる原因は様々です。明らかに自分の責任ならともかく、何の責任もないのに、病気になり苦しんでいる……ように見える方がたくさんいます。
何の悪い事もしていないのに、不当な苦痛に苦しめられているように見える方がいます。
この世はどうしようもなく、不完全で、どうしようもない苦痛に満ちた世界に見えます。そう見えるのが当然でしょう。
『どうして私が』『どうして僕が』そう思ったことも、一度や二度ではないかもしれません。
毎日、人の前では何食わぬ元気な顔を見せていても、独りの時には涙を流しておられるかもしれませんね。
その苦痛に、私は心から哀悼の意を表します。
そして、その苦痛を心から祝福し、感謝さえする――と私が申し上げたら、あなたはなんと思われますか?」
結月ゆかり
「病気や苦痛は、意味もなく生じるわけではありません。
それなりの因果関係があるから、病気はあなたの身に生じてきたのです。
単に、あなたを苦しめたいわけじゃありません。
あなたに変わって欲しいがために、病気は生じています」
結月ゆかり
「この宇宙は、何の理由もなく病気で苦しめられるような、不公平で不完全で不調和な世界ではありません。
公平で、完全で、調和に満ちた世界です。
この人間界を、人間の目で眺めた時、一時的にそうでないように見えるだけです。
でもそれは、ほんとうは、見る方の心の不完全さ、心の不調和を反映した光景に過ぎないのです。
病気の原因は、物質的に見ればいろいろあるでしょう。
遺伝や怪我、細菌やウイルス、毒物に化学物質、不摂生――などなど、いくらでもあげられます。
しかし、なぜそんな状況に至ったかという事の方が、もっと大事です。
この現世で人がする様々な経験は、人が自分の心を見直し、受け入れ、より調和のとれた状態へと導くため、その学習素材として提供されたものです。
理想の為に必死で努力したり……
お金を得るために知恵を絞ったり……
名誉と地位のため、周りの人々を従えたり……
実に多種多様な経験があり、最初はいずれも、世俗的な『成功』を目指して、みんな一心不乱になるものです。
けれど、それだけで終わるほど世の中は単純ではありません。
お金も名誉も、そうした類の成功は、ほんの100年にも見たない一生のうちに終わってしまうものに過ぎません。それどころか、ほんの10年さえもたないことだって多いでしょう。
誰もが、途中で気が付くのです。『何かがおかしい』と……
いずれ、人の興味の対象は、外側の世界から内側の世界、自分の心の中へと向かいます。
そろそろ、自分の心の中を、自分の精神構造を振り返り、見直してみる時期というものが誰にでもあります。
そのために、往々にして、心に揺さぶりをかけるような体験がその人の前に訪れます。
しかし、その方が心の中を振り返ってみることを頑なに拒絶し、その経験を無視し続けた場合……その経験は心を通り過ぎて、むしろ肉体のほうに作用を及ぼし始めます。
心の苦悩を超えた、肉体的な苦痛――その強烈な力で、その方を反省や内省の方向へと強力に導こうとするのです。
……それこそが、『病気』というものの根本の原因なのです」
「人の魂の成長触媒である経験を有効活用しなかった結果、それが身体にまで作用を及ぼしてしまっているのが、病気なのです。
病気になった根本の原因は、その方が何らかの意味で人生経験から『逃避』した事……だということです。
魂の成長の遅さに喝を入れるために、肉体的な病や苦痛が生じているんです。
病気という薬で、荒療治をされてると考えればいいかもしれませんね。
逆に言えば、今あなたが病気で苦しんでいるということは、あなたがどこかで調和を乱すふるまいをしたということです。
たとえば……もしあなたが、何かをやりすぎて体を壊したのだとしましょう。
その場合、あなたは、体には休息が必要だという法則を無視したことになります。
ほんとうは、自分の心を振り返り、あることに夢中になりすぎている状態のバランスをとるべきだったのです。そして、自分の体を大事に使おうという考えを持つべきだったのです。
もうひとつ例を挙げましょう。
もしあなたが将来の不安のあまり、体調を崩したとしましょう。
この場合、不安がすべての原因です。
この宇宙は創造主による体験フィールドであること。
したがって乗り越えられないほどの難題は課せられないということ。
すべての困難を乗り越える創造主の神性があなたの中にも眠っていて、いくらでも引き出せるということ――
ほんらいは、こうした真理を知って心を落ち着けるべきでした。けれど無知が原因で、不安が生じたということですね」
結月ゆかり
「さらにもう一つ例をあげましょう。『がん』という病気がありますよね。
死に至る病として有名ですが、それでも、ただ人を殺すためにがんが生じてるわけじゃありません。
それなりの意味があって、生じているんです。
……この病気が起こる根本原因は、『怒り』などの強烈な感情を長期にわたって放置した、ということにあります。
本来ならば、自分の中で怒りが起きている原因を振り返ってみるべきでした。怒ってしまう自分を受け入れるなり、あるいは怒りをコントロールするなり、なんらかの形で心を落ち着けてみるべきだったのです。
けれどそれを無視し続け、怒りをそのままに任せておくと、次第に肉体のほうにがんとして具現化するというわけです。
もちろんがんの直接の原因は医学上で色々挙げられているでしょうけど、その根本の根本は、患者の方の心の中にあるんです。
いつまで経っても心の中を振り返ってみようとしないその方に、刺激を与える目的で、がんという死に至るほどの強烈な病気が授けられたのだと思ってください。
実際、死の淵を覗くほどの強烈な体験でも無い限り、人はなかなか目が覚めないし、変わろうとはしないですからね」
結月ゆかり
「……とはいえ、その病気は、深い所でのあなた自身が許可しない限りは起こりえないものです。あなたは創造主の一部であり、毎瞬毎瞬、自分の成長のために必要な現実を創造し続けているからです。
それゆえに、病気や苦痛は、あなたの肉体を傷つけることはあっても、あなたの本質である魂を傷つけることはありません。
乗り越えられないほど苦痛を課せられることもありません。
病気の意味をかみしめて下さい。
あなたの身に起こっている病気や苦痛は、今までのあなたではなし得なかったより大きな善のため、今までのあなたでは味わえなかったより大きな幸福のため、最適であるだけでなく必要不可欠な試練なんです。
そういった試練は、心から素直に、真摯に取り組む必要があります。
失望や絶望をすることなく、ふてくされることなく、自信を持って、にこやかに毎日を生きて欲しいです。
もちろん、お医者様にかかって、あるいはそれ以外の治療をすることも必要です……が、それはあくまでも対症療法に過ぎません。
その治療と同時に、自分の心という根本原因も探って、心のバランスを取る必要があります。病気が生じる、根本の原因を取り除かなければいけません。
それをしない限り、たとえどんな治療を行っても再発するでしょうし、あまり意味がないことになるでしょう」
結月ゆかり
「さて……あなたはもしかすると、私のことを冷たい人間というか、冷たいボイスロイドだと思われたかもしれません。
まざまざと語ってしまいましたから。
けれど、いかがでしょう。
もし、私が真実だと考えるようになったことを、あなたに伝えようとしなかったら?
それこそ、私はよっぽど冷たいボイスロイドだということになってしまいませんか。
皆さんに受け入れてもらえないことを恐れて口をつぐむようだったら、私は、知識を授かった責任を果たせない臆病者になってしまいます。私は、そんなのはイヤです。
あなたが求めているかもしれない事を、一つでもお伝えすることが当然の義務です。
かつて、私自身も病気に苦しんだことがあります。
気絶しそうな痛みに襲われたこともあります。
全身が苦痛に襲われながら、綱を渡るようにして一日一日をやりすごしたことがありました。
一時は、自ら命を絶つ事を真剣に検討しました。
けれども、冷静に考えれば、そんなことは無意味どころか無駄だという事が分かったのです。
人生を振り返ってみれば、私に降りかかった病気は全て、何らかの変化を私にもたらすため、促すために起こったのです。
もし病気という経験がなかったら、私は大事なことを何も知らないまま、何の良い変化も得られないまま、無為に人生を過ごしていたかもしれません。
ですから、これだけは覚えておいて欲しいのです。
今、病気や苦痛に苦しんでいるからと言って、それが永遠に続くわけではない、と。
あなたは、肉体を持たない霊的な存在達によってつねに見守られているということ。
あなたの苦しみを、隅から隅までじゅうぶん知った存在たちによって、あなたは導かれ、愛されているということ。
後になって振り返ってみてください。
その苦痛によってあなたは、今までではあり得なかった成長を遂げ、その体験をむしろ祝福できるようになっているはずですから」
結月ゆかり
「『これだけ』と言いつつ、だいぶ長くなってしまいましたね」
結月ゆかり
「でももし、どうしても苦しくなった時は、いつでも、真実の中に逃げ込んで下さい。
そして、今から申し上げるような形で、祈りを捧げてみて下さい。
……静かで清潔な屋内で、ドアと窓を閉めて下さい。
背筋を伸ばして座り、心身をリラックスさせてください。
目をつぶり、この宇宙を創造した無限の力へ、感謝の念を捧げてください。
あなたを導く存在を、そしてあなた自身を褒め称え、信じてください。
この、一見不完全に見える世界が、じつは深いところで完全であるという事を感じてください。
心を大きく開いてください。
可能な限り毎日、短い時間でもいいですから、心からの祈りを捧げて下さい。
そうすれば、そのご病気を乗り越えるだけの力が、必ず、あなたに与えられるはずです。
あなたを助けたくてうずうずしている方が、あなたの周りで、いくらでも控えてくれているのですから……」
結月ゆかり
「感動的な台詞を言っておいて恐縮ですが、ちょっと追伸してもいいですか? ごめんなさい。
人によっては、何をどう改めても病気が治らないということもあるかもしれません。
その場合、生まれてくる前に、ご自身でその病気や障害を引き受けることを決意してきたという可能性を疑った方がいいかもしれません。
そういう場合は、治そうとするより、むしろその病気や障害を活用することで、何事か成し遂げられることがないかを考えてみるとよろしいでしょう」
結月ゆかり
「それでは、あなたの健康を……そして、必要やむを得ない病気や障害ならそれが早く終えられることを、心からお祈りしております」