貧困・金銭・経済問題に苦しむ方へ
貧困・金銭・経済問題に苦しむ方へ
結月ゆかり
「これを読んでいるあなたは、もしかして、お金がなくて日々の生活に苦しむ方かもしれません。
まずは、あなたのために祈りを捧げさせてください」
結月ゆかり
「ああ! 一つにして無限なる創造主よ、この宇宙のすべてを見守る創造主よ。
この方をお見守り下さい。試練を乗り越えるに足る力と勇気をお与えください。
この方の苦しみが早く済むよう、私は、心から祈りを捧げます」
結月ゆかり
「あなたは今、お金がなくて困っているかもしれません。
日々の食事にも事欠いて、寝る時間もなく、過労に喘いでおられるかもしれません。
得たいものが得られない苦しさに、一日一日、一秒一秒、耐えていらっしゃるかもしれません。
けれど、私はそんなあなたに心よりの祝福を送ります」
結月ゆかり
「あなたはこういう言葉を聞いてどんな感想をお持ちになりますか。
『貧しさこそが、本当の豊かさ』……という言葉です。
そんな馬鹿な! と思われるでしょうか。
貧乏人のやせ我慢だ、と思われるでしょうか。
これのどこが豊かなんだ……と、思われるでしょうか。
では逆に考えてみましょう。
『豊かさ』とはなんでしょうか?
色々意見はあるでしょうが、大体の場合、『たくさんのお金を得ること』という答えが返ってきそうです。
では、お金はどれほどの豊かさを持つのでしょうか。
お金さえあれば、何でも手に入れられます。この人間の世界で流通するものなら、なんでも手に入れられるかもしれません。だからこそ、お金が豊かさの王様と考えられているのです」
結月ゆかり
「しかし、本当にそうでしょうか。
お金というのは、あらゆる物質と交換可能なものです。
お金によって手に入れられるのは、物質だけです。物質とは、この現世に束の間に現れたはかない存在に過ぎません。
その証拠に、物質は必ず崩れ去り、滅失していく運命にあります。
どれほど苦労して手に入れた物でも、手に入れたその瞬間から、壊れ始める運命にあります。
いずれ必ず消滅するものが、どうして豊かさの王様なんて言えるんでしょうか?」
結月ゆかり
「そしてもう一つ、お金には致命的な欠陥があります。
それは、死んだらお金は持っていけないということです。
霊界には物質などないのですから、お金は持っていきようがないですよね。仮に持って行けたとしても、交換するものが何もないでしょう。
『死んだあとのことなんて』そう思われるかもしれません。ですが人間の本質は……生命の本質は、肉体ではなくて霊魂なのです。
私たちは、無限の時間の中を旅している最中、ほんのまばたき一回にも満たない短い時間を、この物質宇宙で過ごしているだけなのです。
という事は、お金はそのほんの一瞬の間しかもたない、とてもはかないものなのです。いえ、その一瞬の間さえもたないかもしれません。苦労して苦労して、お金をたくさん手に入れたとしても、今度はそれを失う恐怖におびえ続けなくてはいけないのですから。
そんな頼りないお金が豊かさの本質だというなら……。
私たち人間のもつ豊さは、ちょっとのことであっけなく崩壊し、そうでなくともほんの100年にも満たない針の先のような人生が終わるごとにリセットされてしまう、とんでもない欠陥品だということにはなりませんか。
そんなはずない。もっと豊かなものがあるはずだとは思いませんか」
結月ゆかり
「ほんの一瞬で消え去るお金と違って、一度手に入れたら、永遠に損なわれない宝がこの宇宙にはあります。
それは、なんだと思いますか?」
結月ゆかり
「それは、私達の霊魂に蓄えた、知性と精神性です。
というと難しい言葉のようですが、なんのことはありません。人が一生の中で実践し、磨き、蓄えた知識、技術、経験、叡智、優しさ、思いやり、慈悲ぶかさ、愛情……と言ったものは、一度魂に刻み込まれれば、永遠に消えることはないんですよ。
なぜなら、簡単なことです。人の本質は体を構成する物質ではなく、思念や魂だからです。
命の本質である魂を傷つけられるものが存在しない以上、その魂に蓄えたものは永遠に残るということです。
あなたの人生が終わったあと、無限の時間の中でずっと魂は輝きつづけます。
たとえ今、あなたがお金がなくて困っていたとしても、決して自分を低く見る必要はないのです。お金は、この現世で生きるほんの一瞬、一時的に使う道具にすぎません。
お金があろうとなかろうと、人がもっている真の貨幣は魂の高さだけなんです。
そして実を言うと、むしろお金がないほうが、魂を成長させるには非常に都合がいいんですよ。
お金がなく、頼れる人もなく、その日一日を生きることで精一杯……そんな方はいっけん悲惨です。
けど、物質世界に何も頼れるものがない方は、自然に自分の内面に心を向けるようになります。常に崩れ去って行く物質でできたものをありがたがるのではなく、永遠に続く価値あるものを探し求めようとするからです。
ですから、貧乏なことは、逆説的にもっとも豊かな状態と言えるのではないでしょうか。
その方は、魂と霊という、究極の宝に気づく寸前にいるのです。これが、豊かでなかったら何なのでしょう」
結月ゆかり
「それにむしろ、お金があると、魂を求める道が阻害されるとさえ言えるんですよ。お金がたくさんあって満足しているうちは、他のものを探し求めたりしないですよね?
それにお金をたくさん持っている方は、そのお金を善いことのために活用する責任を負っています。
それなのに、もしつまらないことにお金を浪費したとしたら、後でその責任を負わされることになってしまいます。でも、往々にして、世の中そういう方が多いんですよね。ですから、お金を持っているということは、とても危険な誘惑だらけの人生を送ることになってしまいます。
すでに、よほど思いやりや自制心に目覚めた方であれば、お金持ちな人生でも乗り越えられるかもしれませんけど……そうでもないのに、お金をたくさん持つ人生を選んだら、かんたんに誘惑に負けてしまいますよね。
霊界では、魂の達した位置によって、その方の住む世界が決まります。現世で栄華を誇った方でも、心が貧しければそれなりの世界に落とされます……というより、自分からその分に応じた世界へ引きつけられていくんです。
逆に、現世で貧乏人、乞食だったという方でも、その辛い生活で魂を鍛えた結果、高い世界へ導かれるというのはよくあることなんです」
結月ゆかり
「ですから、貧困に苦しんでいても、あるいは苦しむことがあっても、決して気落ちしないでください。
もう人生おしまいだなんで、思わないでください。
それどころか、その時からがあなたの本当の人生の始まりです。
お金よりはるかに豊かな宝物へと繋がる道を、あなたは一歩踏み出したことになるんですから」
結月ゆかり
「その大切な宝物を、あなたが少しでも早く、手にすることができますように……」