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※ブログを読む前に
「注意事項! このブログの記事をひとつでも読む前に、ゼッタイ知っておいて欲しいこと!」
「このブログは宇宙的・霊的知識をもとに、人生をどう生きたらいいか私たちが考えるというブログよ。そして、いい? 今から、スッゴク大事なことを言うわ。それはね。『いちど知識を得た人間は、それをより善く活用する責任を負う』っていう事」
「もしあんたがこのブログで、何か納得できるような、価値があると思えるような知識を得たとしたら、あんたはそれを実践していく使命を負うの。
どうしてかって? だって、知らずに何もしない奴より、知ってるのに何もしないでいる奴のほうが、よほど罪深いでしょう?
……もちろん、無理や無茶をしろって言ってるわけじゃないわ。それどころか、何かほんの一つでも、ささいなことでもいい。あんたのできる範囲で、あんたの周りの人たちを、あんた自身をより善くするために、日常生活で何かを実践していきなさい。ベストを尽くしなさい。せいいっぱい努力しなさい。
そんなことはまっぴら御免こうむる、僕は私は、ただ暇つぶしでネットサーフィンしてるだけだ……って言うのなら、こんなブログはそもそも見ない方が、むしろあんたのためかもしれないわ」
「それから、もう一つ。すべての記事の内容は、私や結月ゆかりのオリジナルではなく、他の方から伝え聞いたり学習したことを、まとめなおしたものに過ぎないわ。
記事の内容はけっして鵜呑みにしないで。自分の理性と直観に従って、真偽を判断して頂戴。
とは言え、私たちなりに真摯にやってはいるから、記事の内容には責任を持っているわ。
私たちは愚かにも、知識や真理を学び実践できるようになるまで、何年も余計な回り道をしてしまった。その知識とか真理を、あんたはもっと短い期間で知れるように全力をつくすから。
また、私やゆかりが学習に使った素材は、リンク集にすべて記載してあるから、最初からそちらを見ても別にかまわないわ」
「さて、その事が分かったのなら、下の目次から読んで」
目次
2つの極性
2つの極性
弦巻マキ
「うーん、電荷は正電荷と負電荷の2種類あって……電子が移動して電流が、仕事が……ブツブツブツブツ」
結月ゆかり
「マキさん、さっきから物理の勉強でもしているのですか?」
弦巻マキ
「うん、そーだよー。センターももうすぐだしね〜」
結月ゆかり
「というか、私達って
まだ学生だったんですか? まぁ、どうせこの場限りの設定でしょうからどちらでもいいですが……。
ところで、電荷が特定の原子に偏っていることを『極性』といいますよね。
実は、そうした物理的な電気だけではなく、世の中には精神的な、非物質的な、人間が未だ観測していない電気も存在しています。
私達の魂も、その霊的電気による極性を帯びている……と言ったら、マキさんしはどう思われますか?」
弦巻マキ
「えっ、何それ!? 意味分かんない!」
結月ゆかり
「実は、この極性をみにつけることこそが、私達が人間の形をとって生まれてきたことの最終目標でもあるんですよ。では、説明しましょう」
*ゆかりは語りはじめた*
結月ゆかり
「『極性』については、『ラー文書』で詳しく語られているので、そちらを参考にしていきましょう。
正電荷側が電子を外に放ち、負電荷側が電子を受け取るというのは、マキさんはご存知ですよね」
弦巻マキ
「うん! 今、勉強したばっかだからね」
結月ゆかり
「では話が早いです。
非物質的電気も、私達の知っている一般的な電荷と同じく、陽極側は外に放ち、陰極側は受け取るという仕組みのようです。磁石のN極とS極にも似ている、と言えるでしょうね。
しかし霊的な領域のそれが放つのは、電子でもなければ磁力でもありません。
それは、『愛』です」
弦巻マキ
「何故そこで愛ッ!?」
結月ゆかり
「愛というのは、宇宙の基本的な構成要素なんですよ。
魂の極性は、つまるところ、『他人に愛情を向けるのか』、それとも『自分に愛情を向けるのか』という点に尽きます。
他人に奉仕するのか、それとも自分に奉仕するのか、と言い換えてもいいでしょう。
愛はこの宇宙、創造主の基本的な構成要素である以上、私達はいずれ愛を身につけなければなりません。
私達がこの人間界、物質界を卒業し、さらに上の領域……密度*に進むには、『他者への愛』『自己への愛』少なくともどちらかを極めなければならないようです。
分かりやすく言えば、私達は人生という体験を通じて、他者を助け労ったり、あるいは自分を高め努力すること……
そういった実際の行動を通じて、自分の中に『愛』が育ったことを証明してみせなければいけないんですよ」
弦巻マキ
「愛かぁ……なんか難しそうだなぁ。
具体的にどんななの? あんまりイメージつかないなぁ」
結月ゆかり
「では自己奉仕――陰極側から行きましょうか。
自分を愛するというとナルシストみたいですが、そういう意味ではありませんよ。
自分自身が創造主の分霊であり、この物質界に魂を成長させるため生まれてきたのだのさということを、はっきり自覚することになります。
ですから自己奉仕に目覚めた方は、この困難や悲しみに満ちた物質界をあえて好機ととらえ、自分の成長のために最大効率で利用しようとします。
そして、自分のあらゆる能力を伸ばしていくことになります。
健康、体力、生殖能力、知性、知識、見た目の魅力、弁舌、自信、社会的地位――そうした資質を極限にまで高めていきます。
最終的にこの物質界を卒業する資格を得る頃には、その方はいわゆる『成功』をするための資質をすべて達人レベルにまで極め、社会構造の頂点にまで君臨し、多くの他人を従わせる地上の専制君主のような地位まで上り詰めていることでしょう」
弦巻マキ
「へーっ、かっこいい!!
私も目指そっかな〜〜?」
結月ゆかり
「とはいえマキさん、自己奉仕の道はかなり難しいそうですよ。
本来ならば、この世に存在するすべての存在が創造主の分霊であることを悟れば、自然と他人を愛する方向に向かうことになります。
他者奉仕の道のほうが、言うなれば自然な道と言えるのかもしれません。
しかし自己奉仕を目指す存在は、ひとまず他人を無視し、自分の能力を極限にまで活用することで、創造主への奉仕を果たそうとします。
それは、そのほうが創造主に近づくうえで効率が良いという考えのもとの、真摯な考えによるものです。
が、本来身につけるべき『他人への愛』という資質を一時無視するわけで……その分、創造主に近づくうえで、自分の能力だけが頼りになるわけです。
ですから自己奉仕の道は難しく、、他者奉仕を選ぶ方にくらべて非常に少ないようですね。
ラーによれば、私たち人間の何万年という歴史の中で、自己奉仕の道を極めて4次密度存在となったのは、
『チンギス・カン』
『ラスプーチン』
『タラス・ブーリバ』
のたった三名だけだそうですよ。
いずれの方も、自分自身の才覚を霊能力の域にまで高めて、多くの部下を従え、社会の頂点にまで上り詰めたという札つきの豪傑ばかりです。
もし自己奉仕の道を目指すのであれば、自分を高めるためなら努力を努力と思わない、人並外れた自分への愛が必要となるはずです」
弦巻マキ
「えー何それスゴーイ!!!
すごいけど……すごすぎて、ちょっと私には無理そうだなぁ……。
じゃ、もういっこの方は?」
結月ゆかり
「もう一つは他者奉仕の道です。
正電荷が電子を外側へと放つように、他者奉仕を極めた存在は愛を自分の外へ向けます。
すべての他者に対し、別け隔てなく、見返りを求めることなく、なんの条件もつけることなく、愛情を注ぎます。
これは、比較的想像しやすいのではないのでしょうか。
イエス・キリスト、マザーテレサ、その他歴史上数多いる『聖人』と呼ばれるたぐいの方たち……こういった方が、他者奉仕の道の典型ですね」
弦巻マキ
「えーーーー!? こっちも厳しすぎじゃないー!?」
結月ゆかり
「まぁ、それを極められたら、もはや人間界に受肉する必要がなくなり、一つ上の次元に進歩できるという領域ですからね。
そう簡単に達成できるとしたら、返っておかしいということになるでしょう。
何も焦ることはないんですよ。
日々の生活での行動を通じて、徐々に愛のあり方をさぐっていけばいいんです。別に、無理は要求されてないんですからね」
弦巻マキ
「そうは言っても、やっぱりむずかしそうだよぉ〜。
どっちも選ばないでなんとかならないの?」
結月ゆかり
「もちろん、人には自由意志があります。
別に、何かを強制されることはないですよ」
弦巻マキ
「じゃ、じゃあ!?」
結月ゆかり
「ただし、人間の魂の進歩は、ひとまずそのどちらかの方向しかありません。
どちらを選ぶのも自由です。
他人へ愛情を向けるか、自分へ愛情を向けるかというのは、同じことをひとまず別のやり方で表現しているだけに過ぎません。
あるいは、同じ地点を目指すのに、それぞれがいちばん効率が良いと考える道を選んでいるに過ぎません。
だって、自分と他人は、本当は同じものなんですから。
……けど、そのどちらも選択しないというのであれば、永遠に魂の成長を拒絶するのも同義です」
弦巻マキ
「なんだぁ……」
結月ゆかり
「不安に思う必要はないですよ。いずれ、誰にでもその時がやってきます。
人は創造主に近づくことに悦びを感じるものですから、いつまでも拒絶しているのは、そのうちかえって苦痛になってきます。
機が熟せば、きっとマキさんも自ら道を選ぶことになりますよ。
今は、『他者奉仕』か、『自己奉仕』かなどと、日々の生活でいちいち悩むことはないですよ。
納得できない、よく分からないと思えるのであれば、それは単に、マキさんにとってはまだ尚早というだけです。いずれ、必要になったら思い出してみてください。
今は、ご自分の目の前で起きてくることをしっかりと、真正面から取り組んで経験してみてください。
それこそが、マキさんの魂を最も早く成長させる道なんですから」
悪魔
悪魔
結月ゆかり
「マキさん、ニュースを見ましたか。中東がすごいことになっていますね。あそこは、いつも戦争ばかりです」
弦巻マキ
「あ~見た見た!
で、それからさー、この近くで殺人事件あったじゃん?
朝から気分悪くなるニュース二連続で、やんなるよね〜」
結月ゆかり
「そうですね。悪はどこにでもあるようです」
弦巻マキ
「うーん……でもゆかりん、宇宙は完璧な創造主が作ったんでしょ?
だったら、なんで悪いことがこの世にいっぱい起こるのかなぁ?
悪いことをしないように、人間を作ればよかったのにって思うよ」
結月ゆかり
「おや、面白そうな話題ですね。いただきました。
今日は、すこし、悪について話してみましょう」
*ゆかりは語り始めた*
結月ゆかり
「突然ですが、マキさん、悪とは何でしょうか?」
弦巻マキ
「え!?
あ、あらためて言われると困るなぁ。うーん、なんだろ……?
……ま、まぁ、良くないことのことじゃないかな!」
結月ゆかり
「なるほど、的を射た表現ですね。
……いえ、別にバカにはしてませんよ。むしろ、今のマキさんの単純な言葉の中に、実は大きな真理が隠れています」
弦巻マキ
「え!? なになに、どゆこと!? 私って実はすごい!?」
結月ゆかり
「悪いことは、良くないこと。
逆に言えば、良いこととは、悪くないことを指します。
つまりですね。私が言いたいのは、何が『良いこと』なのかは、何が『悪いこと』なのかが分からない限り、理解できないということです。
別の言い方をすれば、『良いこと』を定義するには、『悪いこと』の存在が必要だということです」
弦巻マキ
「え? ……ん〜、分かったような分からないような」
結月ゆかり
「別に、善悪に限った話ではないんですよ。
この宇宙は二極性を基本原理として成り立っている世界です。
プラス極の逆にはマイナス極があり、上の逆には下があり、破壊の逆には建設があり、叡智の裏側には無知があるのです。
それは、一方の極がもしなかったら、他方の極もなくなってしまうということです。
マキさん、もし物質宇宙に原子が一個しかなかったら、どうしますか。
その原子について、それが『上にある』のか、それとも『下にある』のか、という事を決めることが、果たしてできるでしょうか。
決めることはできないはずです。なぜなら、上とは『下にある物体にくらべて』上ということであり、下ということは『上にある物体にくらべて』下にある、ということだからです。
もしこの世の中に物質がひとつしかなければ、上とか下を決めることはできないんです。
つまり、比較対象がなければ、何事も分からないんです。
善いこと、悪いこととも同じです。
私たちが『善いこと』を知り、その方向に進んでいくためには、『悪いこと』も必要不可欠なんです。
人は、知りもしないことに対して努力することは出来ないですよね?
ですから、『悪いこと』も、いつかの時点で体験しておく必要があります。
過去生のなかで、『悪いこと』をした経験がない方はいないはずです。もちろん、私もマキさんもそのはずです」
弦巻マキ
「ふぅん……そうだったんだ。
悪いことにも、それなりに意味があったんだね……。
でも、そう言われても、嫌なことが世の中にいっぱいあると、なんか気分が沈んじゃうなぁ……」
結月ゆかり
「ええ。
ちょっと世の中を見渡してみれば、『悪いこと』はいくらでも転がっていますよね。
戦争、差別、搾取などといった社会悪の数々……
泥棒、殺人、放火など犯罪の数々。
傲慢、不寛容、無知など、人の心の中にもそういったことはたくさんあると思います。
はっきり言って、ひどすぎて目を背けたくレベルですよね。私だって、必ずしも人のことは言えないわけですが……。
けれどそういったとんでもない悪があるからこそ、その中から、考えられないほど素晴らしい善が生まれるんです。
ですから、究極的には、『悪いこと』などこの宇宙には存在しないとさえ言えるでしょう。『悪い』と思えることが、より大きな『善』を生み出してくれるんですから。
ですから、『悪事』が世の中に多すぎるからと言って、絶望したり厭世感を持つのはやめたほうがいいです。
そして、自分が『悪いこと』をしてしまったとしても、くよくよ後悔しないでください。
その『悪』がなかったとしたらありえないような『善』が、そこから生まれるんです。
『悪いこと』が世の中にたくさんあるというのも、創造主の完璧な計画のひとつなんですよ。
創造主の善意を信じて、『悪いこと』が起きたら、してしまったら、そこから教訓を読み取るようにしましょう。
『悪いこと』を教材にすることで、私たちはすごいスピードで成長することも可能です。
といっても、それもやはり、私たち一人一人の行動次第でしょうね。
悪いと分かっていながら、そのまま放置してしまう方も多いものです。私自身、そのことに気づくまでに、多くの歳月を費やしてしまいました。
『悪事』から得られる教訓を活かしていくこと……それを怠ることこそが、むしろ創造主の計画に反する『悪』ではないかと、私は思います。
論語にもそう書いてあります。
『過ちて改めざる、是(これ)を過ちという』……って」
弦巻マキ
「なるほど……嫌なこともいっぱいなのも意味があったんだね……!」
結月ゆかり
「もちろんですよ。
この宇宙に存在するもので、役割や意味を持たないものは、そもそもないんですから。
ところで話は変わりますが、『悪魔』というものがいますよね。代表的なものでいえば、ルシファーとかサタンとか言う存在です」
弦巻マキ
「あぁうん、聞いたことあるよ。有名だよね。それもなんかあるの?」
結月ゆかり
「はい。
悪魔というと、神と対立する者、神に戦う者……というようなイメージも強いかと思います」
弦巻マキ
「あーたしかにねー。
ゲームとかアニメとかでよく見るかも」
結月ゆかり
「それも、やはり間違いなのです。
もし、創造主と対等な立場で対抗する悪魔などがいるとしたら、創造主は完璧な存在ではないということになってしまいますよね。
もちろん、そんなことはないんです。
悪魔というのも、やはりそれなりの存在意義をもって、創造主により意図的に生み出されてきたのです。
それはもちろん、悪が存在することで、私たちはそこから抜け出そうとすごいスピードで進歩を始められるようになる……と、いう点でしょうね。
悪魔とよばれる存在こそが、実は他の何よりも、人間に光の明るさを教えてくれる存在だった……というわけです。
なんだか面白い話ですよね。
そう考えると、私たちは、胸をむかむかさせるような酷い悪人に対してこそ、むしろ一番感謝しなくてはいけないかもしれませんよ」
弦巻マキ
「なるほど、深いなぁ……うん、なんだか一歩大人になった気がするよ!」
結月ゆかり
「マキさん、ただ聞いて分かった気になってるだけでは、なんの意味もないんですよ。
ぜひ、『悪』が与えてくれる教訓を、日々、実際の行動で活かしてみてくださいね」
体の使い方、いたわり方(食事編)
体の使い方、いたわり方(食事編)
霧雨魔理沙
「よ〜霊夢、遊びに来たぜ〜〜〜! ぎゃははははははははははははははっ!」
博麗霊夢
「ま、魔理沙! あんた顔真っ赤よ!? 大酒飲んだのね!?
そんなに酒を飲むなんて……体をこわしてもしらないわよ」
霧雨魔理沙
「れいむにだけは言われたくないぜ〜〜!!!!
これからも飲んで飲んで飲みまくってやる~あははははははははは!!!!!!」
*半日後*
霧雨魔理沙
「あ〜〜〜〜〜頭痛いっ、しぬしぬしぬ〜〜〜! もう二度と酒なんかやらんぜ!!!」
博麗霊夢
「だから言ったのよ……。もう少し、あんたは体をいたわったほうがいいわね」
*霊夢は語りはじめた*
博麗霊夢
「人の本質は魂だって、いつか言ったことがあるかもしれないわ。肉体は、その魂を助ける存在に過ぎない。
肉体は、ほんの百年ほどの間、魂が着る衣装にすぎないのよ。
でも、だからといって肉体を粗末にしていいわけじゃない。
肉体をいちど損なえば、その人生の間は、かなりの不便を強いられることになるわ。
教科書やノート、学校の勉強道具を大事に扱うのと同じで、あんたの肉体だって、今の人生のあいだ大切に扱ったほうがいいわ。いえ、扱うべきよ。
食事、睡眠、運動、そういった体の使い方を心得ているのに、それを実行しないならそれ相応の結果が返ってくるだけよ?
あんただって、子どものころからきちんとしたご飯の食べ方くらい教わってきたわよね?
そういう知識を持っている以上、あんたはそれを適切に使う責任があるのよ。
それを逸脱して暴飲暴食したら、責任を負うのは全部あんただわ」
霧雨魔理沙
「うぅ……頭だけじゃなく耳も痛いぜ……!」
博麗霊夢
「はぁ~……。
もし、あんたが人間じゃなくて動物だったら、話は違うわ。
動物は、知識を蓄えて判断するなんてことはできないもの。本能に従って食事するだけ。なんの責任もないんだから、本能に従ったところでなにも責められない。そうなっても過食や偏食にならない様、それなりに配慮がされているものなのよ。
……創造主によってね。
でも、あんたは人間でしょ?
知識によって自分の行動を変えられる。自分の欲求を抑えることもできる。
そういう力を持っているのに、それを怠って酒を飲みまくったら、その結果は全部じぶんに跳ね返ってきて当然よね」
霧雨魔理沙
「うぅぅっ……! 事実だから何も言い返せねーぜ!」
博麗霊夢
「別に責めてるわけじゃないわ。事実を言っただけ。あんたが可哀想だからって、ウソをつくわけにはいかないんだもの。
ま、事実ついでに、もう少しまともな飲食の仕方を考えてみましょうか」
霧雨魔理沙
「分かったぜ」
博麗霊夢
「食事について気を付けた方がいい事は、いくつかあるわね。
何を食べ、何を食べないかという事……つまり、栄養を十分摂り、害になるものは摂らないように考えるという事。
それから次に、どういう風に、どういう頻度で、どのくらいの量を食べるかという事……つまりは、消化吸収について配慮するという事。
大きく分けたら、このくらいかしら」
霧雨魔理沙
「おいおい、なんか小学生みてーだぞ?」
博麗霊夢
「その小学生レベルのことさえできていなかったのは、どこのどいつかしら……あ、目をそらすな。
まずは、栄養面について考えてみましょう。
詳細はテレビやネットやものの本にでも譲るとして……ま、基本的には、いろんな食品をバランスよく食べた方がいいわよね。それからお菓子やジャンクフード、妙な添加物が入ったもの、お酒は、やっぱり害になるからあんまり食べ過ぎない、飲み過ぎない方がいいわ。それこそ、子どもでも分かることね。
特に気をつけたいのは、みんな、基本的に野菜が不足しがちという点かしらね。
野菜は繊維質が多いし、そのままじゃ消化吸収しづらいから、普通は刻んだり熱を通したりしないと食べられないわよね? 腐ることもあるから、保管に手間がかかるし。
その割に、体をちょくせつ動かすエネルギー源というわけでもないから、つい軽視しがちだわ。
でも体の調子を整えるのに不可欠な栄養素がたくさん含まれているし、何より、消化吸収を助ける機能もあるから、積極的に摂っていくべきよね。
コンビニとかで何も考えずにご飯を買ったりしていると、どうしても野菜が不足しがちになってしまうのがネックよね」
霧雨魔理沙
「幻想郷に、コンビニなんてあったか?」
博麗霊夢
「……それから、肉や魚も次いで不足しがちだけれど、やっぱりある程度食べた方がいいわ。
逆に、ご飯とかパンとか、炭水化物は多く摂ってしまいがちな気がする」
霧雨魔理沙
「うーん……たしかに私も、つい昼飯は団子だけとかにしちゃうときあるなぁ」
博麗霊夢
「毎回それだと、あまりよろしくはないわ。栄養が偏るし……それに、消化吸収にもよくないもの。
消化吸収ってあまり目に見えないから分かりづらいけど、じつは、けっこう胃腸を忙しく働かせているの。かなりエネルギーを使う行為なのよ?
だから、消化吸収にもそれなりに気を使う必要があるの。
魔理沙。ご飯を食べた後すぐ運動したり、お風呂に浸かったりすると、お腹が痛くなったりするでしょう?」
霧雨魔理沙
「そういえばなるなぁ。なんで?」
博麗霊夢
「消化吸収の最中……何を食べたかにもよるけど、食事後の数時間は胃腸がかなり忙しく働いているわ。胃腸に血が集まっているから、体の他の部分でエネルギーをたくさん使うようなことはすべきじゃないわね。
激しい運動はもってのほかだし、眠くなってくるから頭を使う作業もいまいちね。
私たちの肉体は、何をいつ食べても簡単に消化吸収できるなんて、都合のいいようにはなっていないのよ。
食事の直後は、消化吸収を妨げないように安静にしておくべきだわ。
だから、野菜を食べて、繊維質で消化吸収を助けるといいわ。
その場合、食べる順番に注意ね。
他の物を食べる前に野菜を食べておくことで、栄養の吸収が緩やかになるの。特に炭水化物……糖質を野菜の後、いちばん最後に食べたほうがいいわね。
それから、よく噛んでゆっくり食べる事。
噛むことで唾液が分泌されて、その時点で糖はいくらか分解されるから、唾液は重要ね。
しっかり噛むと満腹感が出るから、食べ過ぎなくて済む。
ゆっくり食べれば、その分胃腸もびっくりさせないで済むわ。
……なんだか、幼稚園の先生みたいな気分になってきた。
ともかく! 消化を緩やかにすること。余計な負担を胃腸にかけないこと。
消化もしやすくなれば、肥満にもなりにくいからオススメよ」
霧雨魔理沙
「おぉ! そいつは耳より情報だぜ!」
博麗霊夢
「それから食事の時間や頻度にも気を付けなさい。
さっきも言った通り、ご飯は食べたら自動的にポンって栄養に変わるわけじゃないの。消化吸収の過程で、けっこう胃腸に負担がかかっているから……そういった事も考えてあげる必要があるわ。
特に、腸ってたくさんの免疫細胞が集まっていて、病原菌を排除するための免疫器官でもあるの。
だから消化吸収で胃腸が疲れ果てていると、その分免疫機能が低くなるし、病気にもかかりやすくなるのよ。
ほら、風邪を引いたときは、食欲がなくなるでしょう?
動物だって、怪我や病気で弱っている時は、何も口にしないで体を休めてることが多いわよね。
あれはやっぱり、免疫機能に集中したいから、一時的に消化吸収の負担を減らそうっていう、体にやどった叡智なのよ。
荒れた食事をしていて胃腸が慢性的に弱っていたとしたら、ありとあらゆる病気にかかりやすくなってしまうわ。
人生を精一杯生きようというつもりがあるなら、暴飲暴食を抑えて自分の体を守るのは、当然の義務だと思いなさい」
霧雨魔理沙
「なるほどな」
博麗霊夢
「それから、毎日胃腸を休ませる時間をしっかり確保したい所ね。
『プチ断食』とかいうのが流行っているけど、胃腸が休める時間が増えるし、変な風にやらなければとても良い事だと思うわ。
私もいつも朝ごはんは食べないから、夕ご飯から次の日の昼ごはんまで、けっこう空白がある計算になるわね。だから、こういう風に美しい体でいられるってわけ」
霧雨魔理沙
「……」
博麗霊夢
「で、胃腸を休ませるためにも、あまりたくさん食べすぎるのはよくないわ。
それから、常に何か食べていて、胃腸が休むまとまった時間がないっていうのもよろしくない。
毎日決まった時間に、2・3回食事をする……っていうのが、月並みだけどやっぱり一番いいと思うわ。
まぁ、赤ちゃんやお年寄りとか、胃腸が小さい人は何回にも分けて食べざるを得ないこともあるけどね。
あと、胃腸は夜9時くらいになると消化活動を停止してしまうそうよ。だから、そのあたりの時間になるまでに消化できなかった食べ物は、朝までずっと胃の中に残ることになるわ。
深夜に夜食を食べたりすると、お腹が痛くなることがあるでしょう? それは、やっぱり、その時間に食べるのはよくないっていう、体からのメッセージなのよ。
だから、夕飯は6時ごろに食べ始めるのが理想ね。肉とか、消化しづらいものを食べすぎないことにも気をつけておきなさい」
霧雨魔理沙
「へぇ……あんま考えたことなかったけど、いろいろ考えることがあるもんだなぁ……」
博麗霊夢
「だけど、体が健康だったら毎日気分よく過ごせるわよ。
自分の体のために、役に立つようご飯を食べたらいいわ。
そういう意味では、気をつけすぎて逆にストレスになってしまうというのもよくないわね。
何もかも完璧にする必要はないから、自分の体の調子と相談して、なるべくいい状態を目指したらいいわ」
霧雨魔理沙
「おう!」
何かに後悔・落胆している方へ
小さなことで、いつまでもうじうじするな!!!!!
何かに後悔・落胆している方へ
博麗霊夢
「あんたは、過去に過ちを犯してしまったことがあるのかもしれない。
でも、だから何?
人間は、間違いながら学んでいくほかないでしょ。
いろいろ回り道を経た末に、正しい道を見出すほかない……そう言う風に創られているのよ。
あんたが犯した間違いだって、広い意味では創造主の計画のうち。あんた一人が犯した間違いていどで、宇宙はビクともしない。
ただ、あんたに期待されているのは、そこから何かを学び取るということだけ。
そこから、自分の何かを変えるということだけ」
博麗霊夢
「後悔すれば気分はいいかもしれないけど、それだけじゃ何も変わらない。
ううん、後悔しすぎて何も行動する気力がなくなってしまうとしたら、それこそ過ちを犯し続けるのも同じこと。
だったら後悔なんてするだけ無駄だわ」
博麗霊夢
「あんたは、たった一人で生きているわけじゃない。あんたのことを愛している存在が、必ず、常にあんたを見守ってくれている。
あんたはなんの価値もない存在じゃない。あんたの中には創造主の力が眠っていて、真摯に行動しつづければ必ずその力が発揮される。
あんたに解決不可能な問題がのしかかることはない。
あんたの肉体はともかく、魂を傷つけられるものはこの宇宙に存在しない。
……これだけ聞かされておいて、まだ何かを恐れるっていうの?
だとしたら、それはまだ頭で考えているだけで、深いところにまでこの宇宙の法則、霊的な法則が浸透していないという証拠。
日々の生活で、毎日たった一つでもいい。その法則に則った行動を実践してみて。
一日にほんの僅かな時間でもいいから、ゆっくりと瞑想する時間をとってみて。自分の心の深いところにあることをすべて洗い出してみて。
宇宙の法則、霊的法則が魂に染み込んでいけば、もう恐れるものは何もない。
どんなことがあっても、自信を持って。明るい気持ちで前に進んで。
私は、そう祈ってる。
私は、そう知っている……」
貧困・金銭・経済問題に苦しむ方へ
貧困・金銭・経済問題に苦しむ方へ
結月ゆかり
「これを読んでいるあなたは、もしかして、お金がなくて日々の生活に苦しむ方かもしれません。
まずは、あなたのために祈りを捧げさせてください」
結月ゆかり
「ああ! 一つにして無限なる創造主よ、この宇宙のすべてを見守る創造主よ。
この方をお見守り下さい。試練を乗り越えるに足る力と勇気をお与えください。
この方の苦しみが早く済むよう、私は、心から祈りを捧げます」
結月ゆかり
「あなたは今、お金がなくて困っているかもしれません。
日々の食事にも事欠いて、寝る時間もなく、過労に喘いでおられるかもしれません。
得たいものが得られない苦しさに、一日一日、一秒一秒、耐えていらっしゃるかもしれません。
けれど、私はそんなあなたに心よりの祝福を送ります」
結月ゆかり
「あなたはこういう言葉を聞いてどんな感想をお持ちになりますか。
『貧しさこそが、本当の豊かさ』……という言葉です。
そんな馬鹿な! と思われるでしょうか。
貧乏人のやせ我慢だ、と思われるでしょうか。
これのどこが豊かなんだ……と、思われるでしょうか。
では逆に考えてみましょう。
『豊かさ』とはなんでしょうか?
色々意見はあるでしょうが、大体の場合、『たくさんのお金を得ること』という答えが返ってきそうです。
では、お金はどれほどの豊かさを持つのでしょうか。
お金さえあれば、何でも手に入れられます。この人間の世界で流通するものなら、なんでも手に入れられるかもしれません。だからこそ、お金が豊かさの王様と考えられているのです」
結月ゆかり
「しかし、本当にそうでしょうか。
お金というのは、あらゆる物質と交換可能なものです。
お金によって手に入れられるのは、物質だけです。物質とは、この現世に束の間に現れたはかない存在に過ぎません。
その証拠に、物質は必ず崩れ去り、滅失していく運命にあります。
どれほど苦労して手に入れた物でも、手に入れたその瞬間から、壊れ始める運命にあります。
いずれ必ず消滅するものが、どうして豊かさの王様なんて言えるんでしょうか?」
結月ゆかり
「そしてもう一つ、お金には致命的な欠陥があります。
それは、死んだらお金は持っていけないということです。
霊界には物質などないのですから、お金は持っていきようがないですよね。仮に持って行けたとしても、交換するものが何もないでしょう。
『死んだあとのことなんて』そう思われるかもしれません。ですが人間の本質は……生命の本質は、肉体ではなくて霊魂なのです。
私たちは、無限の時間の中を旅している最中、ほんのまばたき一回にも満たない短い時間を、この物質宇宙で過ごしているだけなのです。
という事は、お金はそのほんの一瞬の間しかもたない、とてもはかないものなのです。いえ、その一瞬の間さえもたないかもしれません。苦労して苦労して、お金をたくさん手に入れたとしても、今度はそれを失う恐怖におびえ続けなくてはいけないのですから。
そんな頼りないお金が豊かさの本質だというなら……。
私たち人間のもつ豊さは、ちょっとのことであっけなく崩壊し、そうでなくともほんの100年にも満たない針の先のような人生が終わるごとにリセットされてしまう、とんでもない欠陥品だということにはなりませんか。
そんなはずない。もっと豊かなものがあるはずだとは思いませんか」
結月ゆかり
「ほんの一瞬で消え去るお金と違って、一度手に入れたら、永遠に損なわれない宝がこの宇宙にはあります。
それは、なんだと思いますか?」
結月ゆかり
「それは、私達の霊魂に蓄えた、知性と精神性です。
というと難しい言葉のようですが、なんのことはありません。人が一生の中で実践し、磨き、蓄えた知識、技術、経験、叡智、優しさ、思いやり、慈悲ぶかさ、愛情……と言ったものは、一度魂に刻み込まれれば、永遠に消えることはないんですよ。
なぜなら、簡単なことです。人の本質は体を構成する物質ではなく、思念や魂だからです。
命の本質である魂を傷つけられるものが存在しない以上、その魂に蓄えたものは永遠に残るということです。
あなたの人生が終わったあと、無限の時間の中でずっと魂は輝きつづけます。
たとえ今、あなたがお金がなくて困っていたとしても、決して自分を低く見る必要はないのです。お金は、この現世で生きるほんの一瞬、一時的に使う道具にすぎません。
お金があろうとなかろうと、人がもっている真の貨幣は魂の高さだけなんです。
そして実を言うと、むしろお金がないほうが、魂を成長させるには非常に都合がいいんですよ。
お金がなく、頼れる人もなく、その日一日を生きることで精一杯……そんな方はいっけん悲惨です。
けど、物質世界に何も頼れるものがない方は、自然に自分の内面に心を向けるようになります。常に崩れ去って行く物質でできたものをありがたがるのではなく、永遠に続く価値あるものを探し求めようとするからです。
ですから、貧乏なことは、逆説的にもっとも豊かな状態と言えるのではないでしょうか。
その方は、魂と霊という、究極の宝に気づく寸前にいるのです。これが、豊かでなかったら何なのでしょう」
結月ゆかり
「それにむしろ、お金があると、魂を求める道が阻害されるとさえ言えるんですよ。お金がたくさんあって満足しているうちは、他のものを探し求めたりしないですよね?
それにお金をたくさん持っている方は、そのお金を善いことのために活用する責任を負っています。
それなのに、もしつまらないことにお金を浪費したとしたら、後でその責任を負わされることになってしまいます。でも、往々にして、世の中そういう方が多いんですよね。ですから、お金を持っているということは、とても危険な誘惑だらけの人生を送ることになってしまいます。
すでに、よほど思いやりや自制心に目覚めた方であれば、お金持ちな人生でも乗り越えられるかもしれませんけど……そうでもないのに、お金をたくさん持つ人生を選んだら、かんたんに誘惑に負けてしまいますよね。
霊界では、魂の達した位置によって、その方の住む世界が決まります。現世で栄華を誇った方でも、心が貧しければそれなりの世界に落とされます……というより、自分からその分に応じた世界へ引きつけられていくんです。
逆に、現世で貧乏人、乞食だったという方でも、その辛い生活で魂を鍛えた結果、高い世界へ導かれるというのはよくあることなんです」
結月ゆかり
「ですから、貧困に苦しんでいても、あるいは苦しむことがあっても、決して気落ちしないでください。
もう人生おしまいだなんで、思わないでください。
それどころか、その時からがあなたの本当の人生の始まりです。
お金よりはるかに豊かな宝物へと繋がる道を、あなたは一歩踏み出したことになるんですから」
結月ゆかり
「その大切な宝物を、あなたが少しでも早く、手にすることができますように……」
チャクラ・エネルギー中枢(2/2)
チャクラ・エネルギー中枢(2/2)
(前回記事からの続き)
博麗霊夢
「ところが関係なくないのよ。
だって、全ては創造主の計画のもとに創られているのだから。この世に、お互いに関係がないものなんてないわ。
以前に話した1から7までの密度……その性質が、私たちの体内にあるという七つのエネルギー中枢と、ちょうど対応するような関係になっているのよ。
もちろん、これにも意味があるの。
この宇宙は、個々の小さな部分にも、全体が内包、要約されているという特徴的な構造をとっているわ。
七つの密度に分かれている中で、その一つの一つの密度で、それぞれ七つのエネルギー中枢に取り組むことになる。
いわば、宇宙全体の見取り図が――いえ、宇宙全体が、すでに自分の中に含まれているということよ。
日本語でそのものズバリの言葉が見当たらないんだけど、英語ではこのことをリキャピチュレーション(recapitulation)と言っているわ
」
霧雨魔理沙
「深淵すぎてよくわからんけど、なんとなくすごいぜ……神秘を感じるぜ!」
博麗霊夢
「さてエネルギー中枢に話を戻しましょうか。
黄色エネルギー中枢だけど、ちょうど三つ目ということもあって、私たちのいる三次密度と対応しているわね。社会性が主な特徴、という点も同じ。
それだけに、私たちはこの社会性という点をかなり重視する必要があるわ。
何が言いたいかというと、私たちは他人との関わりを積極的にもったほうが良いという事。
他人――というのはいないのだから正確には『他自己』とでも言うのでしょうけど――とかかわることで黄色エネルギー中枢は鍛え上げられるわ。
それに、今から説明する緑色エネルギー中枢……これも、他人との関わりなしで、自分ひとりでは決して開放し得ない。
四六時中、他人と一緒にいろとは言わないわ。時には、独りで自分を見つめなおす時間も必要でしょう。
けど長い間、どこかに引きこもって独りでい続けるというのは、大抵の場合進歩を遅らせることになる。
あまり、おすすめはできないわ。
さて、これまで言った赤、オレンジ、黄色、どれに閉塞がある場合でも、それ以上の魂の進歩はとても困難になる。
自分自身の生存、自分の個性や人格、他人との社会的な関わり……まずはそういった観点すべてで大きな問題がないよう、日々の生活で自分を磨き上げる必要があるでしょうね」
霧雨魔理沙
「ふうん、そっか……。
ま、私は社交性バツグンだからあまり問題はなさそうだな!」
博麗霊夢
「あんたの場合、射幸性と言ったほうが良い気がする」
霧雨魔理沙
「なんかすげぇ罵られた気がする!!」
博麗霊夢
「なら遮光性かしら」
霧雨魔理沙
「私はカーテンじゃねえ!!
はぁ……ところで、次の緑色ってのは何なんだ? さっき思わせぶりだったもんだから、気になるぜ」
博麗霊夢
「心臓のところにある緑色エネルギー中枢は、『万物への愛情』を司る器官。
こちらは、私達が次に進むべき四次密度に対応している。それだけに、この緑色エネルギー中枢の開放も、私達が中心的に取り組まなければいけない課題ということになるでしょうね。
とはいえ、ここが上手く開放されている人というのはそうそういないわ。
なかなか、人は利己的なところを捨てきれないものね。
ありとあらゆる他人がたとえ何をしようと、その人たちを赦し、愛せるようになった時、緑色中枢は開放される。
心の底からそんなことが思える人は、なかなかいないというのが現状ね。
そういった心境に達するには、この世の中には他人は存在せず、すべては自分自身の一部――創造主なんだという認識を、単に知っているだけじゃなく骨の髄まで染み込ませる必要がありそうね。
口でそう言うだけじゃなく、実際に他人を思いやる行動を取ることが、何よりも大事だと思うわ。
けっきょく、それなりの経験を積まなきゃ、そんな境地には行かないということね」
霧雨魔理沙
「うぅん、なんだか大変そうだな……」
博麗霊夢
「べつに焦る必要はないわ。私達には、無限の時間が用意されているんだから。
様々な経験をえて緑色中枢を開放した人は、身の回りに起こる経験すべてを、自分が他人に奉仕し、愛情を注ぐための良い機会という風にとらえるようになるわ。
それは、たとえ『他人』が自分を害しようとしている場合でも……もちろん、『他人』が自分を殺そうとしている場合でも同じ。
そこまで熟達した存在となると、別に殺されたって魂はすこしも傷つかないことを知っているわ。
まぁ、意識的にはっきり自覚してる人ばかりとは限らないけど。
ともかく、『他人』のことも自分の家族、いえ、自分自身と同じように考えているのはまちがいない。だから、たとえ自分の命がなくなろうとも奉仕しようとする。
緑色中枢が開放されるというのは、要するにそういうことね」
霧雨魔理沙
「ええ!? 命がなくなろうとも……?! さすがにやばすぎるぜ……。
少しくらい、抵抗したっていいじゃんか!」
博麗霊夢
「抵抗する必要があると思うならすればいいわ。何も、強制されることはないんだから。
ただ、相手の為に自分の命さえ捧げるという事――それが、最高の愛情表現であることには違いないの」
霧雨魔理沙
「ふーん……。
分からなくはないけど、黙って殺されるっていうのもなぁ……?
もうちょっとなんかしたほうがいいと思うぜ」
博麗霊夢
「確かに、唯々諾々と相手に殺されるというのは、愛情という点ではよくても、あまり賢い行為とは言えないこともあるわね。
その『賢さ』という点は、むしろ次の中枢……青色エネルギー中枢にかかわってくるの。
青色中枢は、喉のところにある。
コミュニケーションを司っている器官ね。自分の考えていることを他人に伝えられればられるほど、この中枢は解放されていくという事になる。逆に、上手く伝えられずに口をつぐむようだったら、開放は進まないということになるわね。
重要なのは、青色中枢を開放させた人は、他人がどんな行動をとろうと、それに左右されずに自分の意思を貫徹するだけの叡智を手に入れることになるわ。
だから、緑色だけではなく、青色中枢も開放した人ならば、大抵の場合唯々諾々と殺されるがままになる――ということは少ないでしょうね。
いくらなんでも、人を殺そうなんて考えてしまってるのは尋常じゃないし。
その他人のために自分が何をできるか、もうちょっと賢く考えることができるはずよ」
霧雨魔理沙
「なるほど……。
相変わらず口が上手いな霊夢は」
博麗霊夢
「そっちなのね……。
で、青色中枢の次に来るのは、藍色エネルギー中枢。
これは、脳の中にある『松果体』という部位にあるものね。
超能力や霊能力との関係が深いと言われているけど、それは本当なの。
第一チャクラ……赤色エネルギー中枢から吸収されて登ってきた光のエネルギーは、この藍色中枢までで止まるわ。そして、さらに上の紫色中枢から下ってくる光……人の中に潜在的な形で眠っている創造主の光と触れ合うことになる。
そうなった時、その人は創造主の無限の力にアクセスできるようになって、いわゆる超能力というものも自然に使えるようになるみたいね。
けれど、藍色中枢を開放するのも、やっぱり楽じゃないわ。
瞑想や訓練を重ねて、自分自身の魂の奥深くまで入り込んで探求を繰り返す必要がある。
言うなれば、藍色中枢は達人の領域ということ。
世の中、超能力や霊能力にあこがれて、聞きかじった表面的な知識でこの藍色中枢のみを鍛えようとする人が時々いるんだけど……それはまったくおすすめできない行為。
藍色の開放のためには、下位のエネルギー中枢を鍛えることが必要なのよ?
でも、超能力を得てチヤホヤされたいなんて妙な考えを抱く時点で、もう下位の中枢がおざなりになってるのがまるわかりじゃない。
もし無理やりに基礎をすっとばして藍色を開放したら、創造主の光のまばゆさに耐えきれなくて、正気を失うことになるかもしれない。
下位の中枢を十分鍛え、さらに自分自身が創造主であるという事を深く理解することで、この中枢を開放する段階に至る。そうするとその人は身の回りのあらゆる経験を、宇宙的エネルギーを体に取り込むための機会としてとらえるようになるわ」
霧雨魔理沙
「ひええ……なんだかすごいぜ。私はまだまだだな……」
博麗霊夢
「まぁここまで来た人の数というのは少ないし、あまり気にしない方がいいわ。
さて、最後の紫色エネルギー中枢……これは、頭頂部に位置しているわ。
実はこの中枢には、それ自体のバランスを取る必要はないの。
紫色中枢は、それ以外のすべての中枢の状態を総合してあらわされる。いわば、紫色中枢を見れば、その人がどんな状態か分かるという事。
紫色中枢を上手くバランスを取ろうと思ったら、他の全ての中枢のバランスを取らなければならないわ。
だから紫色のバランス化を目指す人は、ありとあらゆる経験、その一つ一つが創造主によって配剤された神聖なものだととらえるようになるわ。
どんな体験でも、よ?
世の中、そんなに派手な経験ばかりじゃないし、むしろ毎日の生活は地味などうでもよさそうな雑事とかがたくさんあるでしょ?
エネルギー中枢だなんて、そんな大層なこととなんの関わりもなさそうな事も多いわよね。
でも、その一つ一つが、エネルギー中枢の微妙なバランスを取るためには必要な、おおいに意味がある行為なの。
エネルギー中枢は、ただ機械的に開放すればいいという物じゃない。楽器のチューニングみたいに、最終的にはかなり微妙な調整が必要なのよ。
……まぁ、その段階まで行っている人はほとんどいないけどね。
ともかく、そうやって紫色中枢をのバランスを上手くとれば、そこですべてのエネルギー中枢が開放されたことになる。
そこまで至った存在は、いついかなる時でも収穫されて、三次密度から卒業し四次密度の世界へ転生する権利を得ることになるようだわ。
こんな所で、エネルギー中枢の概要はおしまい」
霧雨魔理沙
「うぉっ……。
なんか最後のほうはまだまだ私に関係なさそうだったけど、なんかすげぇ!」
博麗霊夢
「そう。
少しでも、人生の指針が立ったのなら幸いだわ。
でも一つだけ注意。
人生で起こってくる経験は、既に、あんた自身が創造主そのものだった時に立てた完璧な計画にのっとって運営されているのよ。
今あんたの目の前に起こっている経験は、あんたを成長させるために最適なもの。
だから、エネルギー中枢のことだけで頭がいっぱいになって、全てをそれに基づいて判断するような頭でっかちにはならないで頂戴。
今、目の前にある経験から逃げるための口実として、知識を使うのは絶対にやめて頂戴。
そんな事をすれば、後でそのツケを払わなきゃいけなくなるのは、自分自身なんだから。
むしろ、今あんたが経験していることを、前向きに乗り切るための力として、知識を使うようこころがけて」
博麗霊夢
「よかった。
じゃ、明るくなってきたしそろそろお暇するわ」
霧雨魔理沙
「げーーーーーーー!? もう朝ーーーーー!!!」